2026年10月26日以降に作った有料枠の新規プロジェクトでは、Gemini APIの送受信が最初から保存される設定になりました。対象はGenerate Content API(generateContent、streamGenerateContent、batchGenerateContent)です。Gemini APIのリリースノートの2026年10月26日の項目に、新しいプロジェクトでは既定で保存(store=true)になり、既存のプロジェクトは現在の設定のままだと書かれています。
止めたいときは、リクエストごとにstore=falseを指定する方法と、AI Studioの設定画面で保存をオフにする方法があります。保存期間は既定で55日で、7日・14日・28日・55日から選べます。この記事は、2026年10月27日に上の公式ページとLogs and datasetsの公式ガイド、Data logging and sharingの公式ページを開いて確認した内容をもとに、確認の順番、止め方、期間の変え方、学習との関係を整理します。公式に書かれていない点は推測せず、その旨を書きます。
10月26日以降に何が変わったのか
Gemini APIのログ保存とは、APIで送ったプロンプトとモデルの応答を、プロジェクトの持ち主がAI Studioで見直せるように保存しておく機能で、Generate Content APIでは2026年10月26日以降に作った新規プロジェクトで既定のオンになりました。
Logs and datasetsの公式ガイドによると、ログではGeminiへ送った完全なプロンプトと応答、直前までのやり取りの文脈を確認できます。対象はGenerateContent、BatchGenerateContent、StreamGenerateContentの各APIの呼び出しです。Managed Agentsを除くInteractions APIの呼び出しも対象で、OpenAI互換のエンドポイント経由の呼び出しも含まれると書かれています。非同期の一括処理は、Gemini Batch APIの使い方と料金を扱った記事で別に整理しています。変更点は、リリースノートと同じガイドを並べると次のとおりです。
| 確認したいこと | 公式の記載 |
|---|---|
| いつからか | 2026年10月26日以降に作ったプロジェクトが対象 |
| どの呼び出しか | generateContent、streamGenerateContent、batchGenerateContent |
| どの枠か | 有料枠のプロジェクト。ログの保存はGemini APIの有料枠でだけ使えると書かれています |
| 既存のプロジェクトは | 現在の設定のまま。2026年10月26日より前に作ったプロジェクトは、AI Studioで有効にしていなければ保存されません |
| Interactions APIは | もともと既定で保存される。今回、Generate Content APIがそれにそろった |
「新しいプロジェクト」の境目は、公式ガイドでは作成日(2026年10月26日以降)として書かれています。時間帯の基準は書かれていません。無料枠のプロジェクトの扱いは、確認したガイドに個別の説明が見当たらないため、この記事では判断しません。
自分のプロジェクトが保存対象かを確かめる手順
保存対象かどうかの確認とは、プロジェクトの作成日と枠を調べたうえで、AI Studioのログ画面で実際にログが並ぶか、設定画面でGenerate Content APIのログが有効かを見る作業です。
公式ガイドの「View project logs in AI Studio」の記載をもとに、確認の順番を整理します。出典はLogs and datasetsの公式ガイドです。
- プロジェクトの作成日が2026年10月26日以降かを確かめる。これより前なら、保存は初期設定ではオフです
- プロジェクトが有料枠かを確かめる。ログの保存は有料枠のプロジェクトだけが対象です
- AI StudioのLogsページを開き、ドロップダウンからプロジェクトを選ぶ。ログがあれば新しい順の表に並びます
- 2026年10月26日より前に作ったプロジェクトは、先に設定画面でGenerate Content APIのログを有効にしてから、ログを確認する
- エントリを押してペイロードのプレビューを開き、プロンプトと応答が見えるかを確かめる
注意点が1つあります。ログを表示するには、プロジェクトに有効なAPIキーが1本以上必要だと書かれています。漏えいしたキーを削除して有効なキーが0本になると、新しいキーを作るまでそのプロジェクトのログが見えなくなります。キーの発行から画面の使い方までは、Google AI StudioでAPIキーを発行しプロンプトを試す方法をまとめた記事にあります。
画面名は公式の英語表記(Logs、Dashboard、Settings)で書いています。日本語表示での名称は確認できていないため、表示が違うときは英語のガイドと見比べてください。
保存を止める2つの方法
保存を止める方法とは、リクエストごとにstore=falseを指定する方法と、AI Studioの設定画面でプロジェクト全体のGenerate Content APIのログをオフにする方法の2つのことです。
Logs and datasetsの公式ガイドには、保存の設定を変えられる場所が2つ書かれています。リクエスト単位のstoreの指定は、プロジェクト単位の設定より優先されると明記されています。
| 方法 | どこで設定するか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| リクエストごとに止める | 呼び出しのconfigでstore=falseを指定する | 特定の処理だけ保存したくない(編集部の整理) |
| プロジェクト全体で止める | AI Studioの設定画面(Settings panel)でGenerate Content APIのログをオフにする | そのプロジェクトでは保存を使わない(編集部の整理) |
| 両方をそろえる | 設定画面でオフにしたうえで、呼び出しにもstore=falseを入れる | 入力に機微な内容が入りうる(編集部の整理) |
公式ガイドのPythonの例では、configにstoreを渡し、Falseにするとそのリクエストのログ保存が無効になるとコメントで説明されています。書き方は次のとおりです。
from google import genai
client = genai.Client()
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.8-flash",
contents="Explain quantum entanglement in simple terms.",
config={"store": False},
)
print(response.text)
Logs and datasetsの公式ガイドによると、Generate Content APIでstoreを指定するには、Pythonはgoogle-genai 2.33.0以降、JavaScriptは@google/genai 2.31.0以降が必要です。古いSDKを使っているアプリでは、先にバージョンを確認してください。プロジェクト単位の設定は、generateContentとInteractions APIで別々にオンとオフを切り替えられます。ただしInteractions APIのログをオフにすると、会話履歴の自動保存と取得が止まると警告されているため、Interactions APIを使うアプリでは影響を確かめてから切り替えます。
保存期間を変えるには
保存期間とは、ログが期限切れとして削除の対象になるまでの日数のことで、既定は55日、プロジェクトごとに7日・14日・28日・55日から選べます。
Logs and datasetsの公式ガイドに、ログは既定の55日の保存期間を過ぎると期限切れになり、削除の対象としてマークされると書かれています。プロジェクトのログの保存期間は、最大で7日、14日、28日、55日のいずれかに設定できます。Data logging and sharingの公式ページにも、期間の更新はAI Studioで行うと書かれています。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 既定の保存期間 | 55日 |
| 選べる期間 | 7日、14日、28日、55日 |
| 期間を過ぎたログ | 期限切れとなり、削除の対象としてマークされる |
| データセットに保存したログ | 期限切れにならない(保存期間が決まっていない) |
ログをデータセットに保存すると、期限を過ぎても残ります。データセットは、ログを整理して書き出しやすくするための機能で、公式ガイドには書き出し形式(CSV、JSONL、Googleスプレッドシート)も載っています。残したいログと消えてよいログを分けて運用する場合は、保存期間とデータセットの両方を見てください。ログの手動削除の操作は、確認したガイドには説明が見当たりませんでした。
保存されないものと対象外
保存の対象外とは、有料枠ではないプロジェクトと、公式ガイドが「ログに対応していない」と挙げているモデルや入力のことです。
Logs and datasetsの公式ガイドの「Limitations」には、現在ログに対応していないものとして次の項目が書かれています。
| ログに対応していないもの | 備考 |
|---|---|
| ImagenとVeoのモデル | 画像生成と動画生成のモデル |
| Geminiのembeddingモデル | 埋め込みを作るモデル |
| Gemini Roboticsモデル | 公式に挙げられた名称のまま |
| 動画、GIF、PDFを含む入力 | これらを含むリクエストは保存対象外 |
| Public Preview Agents in the Gemini API | 公式の英語表記のまま。ログ未対応の項目として挙げられています |
PDFや動画を扱う処理でログが見当たらないときは、設定の誤りと決めつけず、この対象外に当たっていないかを先に確認します。ファイルをAPIに預ける仕組みの保存期間は、ログとは別の話題で、Gemini APIのFile APIの使い方と保存期間を扱った記事で整理しています。
ログは学習に使われるのか
ログと学習の関係とは、保存されたログは開発者自身のためのもので、開発者がデータセットの共有やフィードバックの送信を選んだ分が、モデルの改善や学習に使われうるという整理のことです。
Data logging and sharingの公式ページには、ログは自分用であり、フィードバックとしてGoogleに共有することを選べると書かれています。共有したデータセットは、有料サービスではなく「Unpaid Services」の利用規約に沿って処理され、Googleの製品やサービス、機械学習技術の開発と改善に使われうる、そこにはモデルの改善と学習も含まれると説明されています。同じページには、ログを見直すときに付ける高評価・低評価や自由記述のフィードバックも、共有できるデータとして挙げられています。共有されたデータは人の審査担当者が読み、注釈を付ける場合があるとも書かれています。個人情報、機微な情報、機密情報を含めないようにという注意と、選択肢は所在地に依存するという注記もあります。日本で同じ選択肢が表示されるかどうかは、このページからは確認できません。
共有しない場合について、同じData logging and sharingの公式ページは、ログ機能が請求先を設定したプロジェクトにだけ提供されることから、ログ内のプロンプトと応答は、既定では製品の改善や開発に使われないと書いています。つまり、Googleが勝手に学習に使うという整理ではなく、共有するかどうかは開発者が選ぶ設計です。ただし、保存そのものは自社の利用者の入力を一定期間プロジェクトに残すことになるため、次の章のような判断が必要になります。
開発者と情シスが決めること
運用の判断とは、保存を残すプロジェクトと止めるプロジェクトを分け、保存期間と見られる人を決めて、社内の規程と食い違わないようにすることです。
ここからは編集部の整理で、公式がこの順を勧めているわけではありません。判断の軸は、入力に何が入るか、ログを見直す必要があるか、保存期間を何日にするかの3つです。
| 状況(仮の例) | 考え方 |
|---|---|
| 社内の問い合わせ要約ツールで、入力に顧客名や契約内容が入りうる | 保存が不要なら、プロジェクトの設定でGenerate Content APIのログをオフにし、アプリの呼び出しにもstore=falseを入れて二重にそろえる |
| 出力品質を見直したい検証用のプロジェクトで、入力は公開情報だけ | 保存を残し、保存期間を短めの日数に設定して、見直しが終われば自然に消える運用にする |
| 2026年10月26日より前に作った既存のプロジェクト | 設定は変わらないため、今の状態を設定画面で確認するだけでよい。新しく作り直すと既定が変わる点に注意する |
| 2026年10月26日以降に新しく作る有料枠のプロジェクト | 作成直後に設定画面を開き、保存の状態と保存期間を、運用の方針に合わせて決める |
この表の例は、記事のための仮の例で、実在の事例ではありません。また、ログを保存するかどうかが料金に与える影響は、確認した公式ページに記載が見当たらなかったため、この記事では扱いません。保存の設定は、プロジェクトの作成時、APIキーの発行時、ログを見直したくなった時の3つの場面で見直せば足ります。呼び出し回数の上限は別の話題で、Gemini APIのレート制限をティア別に整理した記事にまとめています。
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よくある質問(FAQ)
- Q1. 既存のGemini APIのプロジェクトも、10月26日から保存が始まりましたか。
- リリースノートでは、既存のプロジェクトは現在の設定のままと書かれています。公式ガイドでは、2026年10月26日より前に作ったプロジェクトのGenerate Content APIは、AI Studioで有効にしていなければ保存されないとされています。詳しくはLogs and datasetsの公式ガイドを見てください。
- Q2. 保存を止めるには、どちらの方法を使えばよいですか。
- どちらでも止められます。リクエストにstore=falseを指定する方法と、AI Studioの設定画面でGenerate Content APIのログをオフにする方法があり、リクエスト側の指定が優先されます(Logs and datasetsの公式ガイド)。プロジェクト全体で保存を使わないならまず設定画面、一部の呼び出しだけなら呼び出し側、という分け方が分かりやすいです。これは編集部の整理です。
- Q3. 保存されたログはいつ消えますか。
- 既定では55日で期限切れになり、削除の対象としてマークされます。期間は7日、14日、28日、55日から選べます。データセットに保存したログは期限切れになりません。出典はLogs and datasetsの公式ガイドです。
- Q4. 保存したログは、Googleのモデルの学習に使われますか。
- 公式ページは、ログは自分用で、共有は選べると書いています。データセットを共有した場合やフィードバックを送った場合は、モデルの改善と学習を含む用途に使われうるとされています。共有の選択肢は所在地に依存するとも書かれています(Data logging and sharingの公式ページ)。
- Q5. 無料枠のプロジェクトでもログは保存されますか。
- 公式ガイドは、ログの保存はGemini APIの有料枠のプロジェクトだけが対象と書いています。無料枠のプロジェクトでの個別の扱いは、確認したページには説明が見当たりませんでした(Logs and datasetsの公式ガイド)。
- Q6. 画面に出てくるSettingsやLogsの日本語の名前は何ですか。
- 確認できていません。この記事は公式の英語表記のまま書いています。日本語の表示は変わることがあるため、画面の表記が違うときは英語のガイドと照らして探してください。
まとめ
2026年10月26日以降に作った有料枠の新規プロジェクトでは、Generate Content APIの送受信が既定で保存されます(Gemini APIのリリースノート)。既存のプロジェクトは現在の設定のままです。止めたいときは、リクエストのstore=falseか、AI Studioの設定画面を使います。保存期間は既定で55日、7日・14日・28日・55日から選べて、データセットに保存したログは期限切れになりません。ログは自分用で、開発者が共有を選んだデータセットやフィードバックが、モデルの改善や学習に使われうる設計です。新しいプロジェクトを作ったときは、まず設定画面で保存の状態と保存期間を確かめてください。確認日は2026年10月27日で、公式ページの記載は変わる可能性があります。
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