Google検索によるグラウンディングとは?Gemini APIの料金と仕組み

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📅 公開日: 2026年9月20日🔄 最終更新: 2026年9月22日

Google検索によるグラウンディングは、Gemini APIが生成した回答をその場の検索結果に結び付け、根拠になったURLを引用として添えて返す機能です。結論を先に書くと、使い始める前に押さえておきたいのは「課金の単位がGemini 3世代とGemini 2.5世代で違う」「返ってきた検索候補をそのまま表示することが利用規約で求められる」「URLコンテキストツールと組み合わせると読ませる範囲を自分で指定できる」の3つです。

この記事では、Google公式ドキュメントに現時点で書かれている文言だけを根拠に、仕組み・レスポンスの構造・料金・併用条件・規約上の制約・企業向けの選択肢までを順番に整理します。料金や対応モデルは公式ページの更新でそのまま変わる項目なので、数値を扱う箇所にはすべて出典リンクを置いています。

なお本文の記載は2026年9月20日時点で取得した公式ページの内容に基づきます。たとえばGoogle 検索によるグラウンディング | Gemini APIの日本語版には「Google は AI 技術を使用して、コンテンツをご希望の言語に翻訳しています。AI 翻訳には誤りが含まれる場合があります。」という注記があり、最終更新日も英語版とずれています。食い違いが起きうる箇所は両方のURLを併記しました。

目次

Google検索によるグラウンディングとは何か

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Google検索によるグラウンディングとは、Gemini APIの回答をGoogle検索の結果に結び付け、根拠になったURLを引用として添えて返す機能のことです。

Google Cloudのグラウンディング解説ページは、生成AIにおけるグラウンディングを「In generative AI, grounding is the ability to connect model output to verifiable sources of information.」と定義しています(Grounding overview | Google Cloud)。検証できる情報源へ出力をつなぐこと、これがグラウンディングという言葉の中身です。

そのうえでGemini APIのドキュメントは、この機能について「Grounding with Google Search connects the Gemini model to real-time web content and works with all available languages.」と書いています(Grounding with Google Search | Gemini API)。リアルタイムのウェブコンテンツへつなぐこと、そして利用可能なすべての言語で動くことが、公式の説明として示されている範囲です。

同じページは、グラウンディングによって作れるアプリケーションの利点として次の3つを挙げています。

  • Increase factual accuracy: 実世界の情報に基づかせることでモデルのハルシネーションを減らす
  • Access real-time information: 最近の出来事やトピックに関する質問へ答えられるようにする
  • Provide citations: モデルの主張の出典を示して利用者の信頼を得る

ここで混同しやすいのが、検索側の画面にAIの要約が出る仕組みとの違いです。あちらはGoogle検索という製品の表示機能で、こちらは自分が作るアプリケーションに組み込むAPIの機能という点で別物です。検索画面側の挙動や設定についてはGoogle検索のAI Overviewはオフにできる?表示・履歴・Gemini設定を整理で整理しているので、話を切り分けたいときはそちらを先に読むと混乱しにくくなります。

利用の入口は2通りあります。Gemini APIの利用規約は、この機能が「can be used through Google AI Studio (as an Unpaid Service), and via Gemini API as a (Paid Service).」と区分しています(Gemini API Additional Terms of Service)。試すだけならGoogle AI Studio、アプリに組み込むならAPI、という住み分けが規約上の建て付けです。

グラウンディングが答えを組み立てる5つのステップ

グラウンディングの処理フローとは、プロンプトの受け取りから検索の実行、結果の統合、引用付き回答の返却までをモデル側が自動でこなす一連の流れのことです。

日本語版ドキュメントは「google_search ツールを有効にすると、モデルは情報の検索、処理、引用のワークフロー全体を自動的に処理します。」と説明しています(Google 検索によるグラウンディング | Gemini API)。開発側が検索APIを別途叩く必要はありません。内訳は次の5ステップです。

  1. ユーザープロンプト: アプリケーションがgoogle_searchツールを有効にしたうえで、利用者のプロンプトをGemini APIへ送る
  2. プロンプトの分析: モデルがプロンプトを分析し、Google検索で回答を改善できるかどうかを判断する
  3. Google検索: 必要に応じて、モデルが1つ以上の検索クエリを自動生成して実行する
  4. 検索結果の処理: モデルが検索結果を処理し、情報を統合して回答を作る
  5. グラウンディングされたレスポンス: 検索結果に基づいた回答が、引用と検索候補を伴って返る

実装上の勘所は2番目のステップにあります。モデルが「検索しても回答は改善しない」と判断すれば検索は走りません。つまりツールを有効にしただけで毎回検索が発生するわけではなく、プロンプトの書き方が実行回数を左右します。

そして3番目のステップが費用に直結します。料金ページの注記は「A customer-submitted request to Gemini may result in one or more queries to Google Search. You will be charged for each individual search query performed.」と明記しています(Gemini Developer API Pricing)。1回のリクエストが1回の検索で終わるとは限らない、という前提で見積もりを立てる必要があります。

レスポンスに返る3種類のデータと引用の作り方

グラウンディングのレスポンスとは、モデルの回答テキストに加えて、実行した検索クエリと検索候補のスニペット、そして引用位置を示す注釈が同時に返る構造のことです。

公式ドキュメントは、レスポンスの主要フィールドを次のように整理しています(Grounding with Google Search | Gemini API)。

フィールド 中身 アプリ側での使いどころ
google_search_call モデルが実行した検索クエリ(queries) 何を検索したかのログと、想定外のクエリ発生の検知
google_search_result UIに検索候補を描画するためのHTMLスニペット(search_suggestions) 回答と一緒に表示する検索候補ウィジェットの描画
text と annotations 統合された回答テキストと、インライン引用のurl_citation 本文のどの範囲がどのURL由来かを示す引用表示

引用表示を自前で組むときに使うのがannotationsです。ドキュメントは「Each url_citation annotation links a text segment (defined by start_index and end_index ) to a source URL.」と書いており、テキストの開始位置と終了位置が数値で返るため、回答文のどの部分に脚注を付ければよいかを機械的に決められます。表示のデザインを自由に設計できるのはこの構造のおかげです。

検索候補については「google_search_result : Contains search_suggestions , an HTML snippet for rendering search suggestions in your UI.」と説明されています。ここで返るのは整形済みのHTMLで、スタイルを含んだウィジェットとしてそのまま埋め込む前提の部品です。この扱いには規約上の条件が付くため、後述の「利用規約が定める表示・保存・再利用のルール」で改めて触れます。

課金単位はGemini 3世代とGemini 2.5世代で違う

グラウンディングの課金単位とは、料金が検索クエリ1件ごとに発生するのか、プロンプト1件ごとに発生するのかという計算の基準のことです。

ここが見積もりで最もずれやすい部分です。公式ドキュメントは「When you use Grounding with Google Search with Gemini 3, your project is billed for each search query that the model decides to execute.」と書いています。つまりGemini 3世代では、モデルが実行すると判断した検索クエリの数だけ課金されます。同じAPI呼び出しの中で2つのクエリが走れば、そのリクエストに対する有料利用は2回分とカウントされます(Grounding with Google Search | Gemini API)。

一方で旧世代は基準が異なります。同じページは「This billing model only applies to Gemini 3 models; when you use search grounding with Gemini 2.5 or older models, your project is billed per prompt.」と続けており、日本語版も「この課金モデルは Gemini 3 モデルにのみ適用されます。Gemini 2.5 以前のモデルで検索グラウンディングを使用すると、プロジェクトはプロンプトごとに課金されます。」と同じ内容を示しています(Google 検索によるグラウンディング | Gemini API)。

カウントの細かい条件も公式に書かれています。1つは「For billing purposes, we ignore the empty web search queries when counting unique queries.」で、空のウェブ検索クエリはユニーククエリの数え上げから除外されます。もう1つは料金ページの注記にある「If you are using dynamic retrieval to optimize costs, only requests that contain at least one grounding support URL from the web in their response are charged for Grounding with Google Search. Costs for Gemini always apply.」という条件です(Gemini Developer API Pricing)。

最後の一文は読み飛ばさないでください。グラウンディングのツール利用料が無料枠に収まっていても、Gemini本体の入出力トークン料金は別途かかるという意味です。トークン側の単価やキャッシュの扱いを含めた全体像はGemini API料金の読み方2026|モデル別単価・キャッシュ・無料枠・試算で整理しているので、合算で見積もるときはあわせて確認すると差分が出にくくなります。

モデル世代別の無料枠と従量単価を一覧で比較

無料枠とは、有料ティアの契約下でも追加料金なしで使えるグラウンディングの実行数の上限のことです。

料金ページに記載されている、Google検索によるグラウンディングの枠と単価は次のとおりです。いずれもGemini Developer API Pricingの記載で、通貨は米ドル、取得日は2026年9月20日です。

対象モデル 無料ティア 有料ティアに含まれる無料分と超過後の単価
Gemini 3.x系のテキストモデル(3.8 Flash ほか) Not available(Google AI Studioでのテストは可) 5,000 free search requests per month (shared across all Gemini 3.x models), then $14 per 1,000 requests.
Gemini 2.5 Pro Not available 1,500 RPD (free), then $35 / 1,000 grounded prompts
Gemini 2.5 Flash Free of charge, up to 500 RPD (limit shared with Flash-Lite RPD) 1,500 RPD (free, limit shared with Flash-Lite RPD), then $35 / 1,000 grounded prompts
Gemini 2.5 Flash-Lite Free of charge, up to 500 RPD (limit shared with Flash RPD) 1,500 RPD (free, limit shared with Flash RPD), then $35 / 1,000 grounded prompts

読み方のポイントは3つあります。第一に、Gemini 3.x系の無料分は月あたりの検索リクエスト数で、しかも3.x系の各モデルで共有されます。モデルを切り替えても枠が増えるわけではありません。第二に、Gemini 2.5系の枠はRPD、つまり1日あたりのリクエスト数で書かれており、月次と日次という別の物差しになっています。第三に、Gemini 2.5 FlashとFlash-Liteの枠は互いに共有される点が明記されています。

費用を抑えたいときに効くのは、そもそも検索を走らせないプロンプト設計です。前述のとおりモデルが検索不要と判断すれば検索は発生しないため、社内文書の要約のように検索の必要がない用途ではツール自体を外すほうが合理的になります。モデルごとの得意分野を踏まえて選びたい場合はGemini 3.8 Flashとは?できること・制限・旧世代Flashとの違いが比較の材料になります。

課金を発生させずに挙動だけ確かめたい段階では、冒頭で触れた規約上の区分が手がかりになります。Google AI Studio側はUnpaid Serviceに位置付けられているため、まずそちらで出力の形を見てから、APIへ移す判断をする流れが取りやすくなります。手元のターミナルから試す流れに慣れたい人はGemini CLIの使い方 インストールから無料枠の現状まで解説も参考になります。

URLコンテキストツールと組み合わせて深く読ませる

URLコンテキストツールとは、プロンプトで指定したURLの中身をモデルに取得させ、そのページの内容を根拠に回答させる組み込みツールのことです。

検索によるグラウンディングは「広く探す」のが得意で、URLコンテキストは「指定した場所を深く読む」のが得意です。公式ドキュメントも両者の併用を想定しており、検索で見つけたページをURLコンテキストでより詳しく理解させる使い方を示しています(URL context | Gemini API)。

取得の仕組みは2段構えです。ドキュメントは「When you provide a URL, the tool first attempts to fetch the content from an internal index cache.」と書いており、まず内部のインデックスキャッシュから取りに行き、そこに無い場合はライブ取得へ自動的に切り替わります。公開直後のページでも読める一方、キャッシュ経由か実取得かで鮮度が変わりうる、という前提で扱うのが安全です。

費用面では検索グラウンディングと性質が違います。「The content retrieved from the URLs you specify in your prompt is counted as part of the input tokens.」とあるとおり、取得したページの中身は入力トークンとして数えられます。クエリ単位の従量課金ではなく、長いページを読ませるほど入力トークンが増える形です。

調査そのものをGeminiに任せる用途であれば、チャット側の機能と役割が重なります。レポート生成までを一続きで扱いたい場合の手順はGeminiのDeep Researchの使い方|調査レポートの作り方と確認手順にまとめています。APIで組むか既存機能で済ませるかを決めてから実装に入ると、二重開発を避けられます。

URLコンテキストの上限と非対応コンテンツを先に押さえる

URLコンテキストの上限とは、1リクエストで渡せるURLの本数や1URLあたりの取得サイズなど、公式ドキュメントに明記された制限値のことです。

設計を始めてから気付くと作り直しになる制限が並んでいます。URL context | Gemini API(同ページの最終更新日の表示は「Last updated 2026-09-02 UTC.」)に記載された内容は次の5項目です。

項目 公式ドキュメントの記載
1リクエストのURL数 The tool can process up to 20 URLs per request.
1URLの最大サイズ The maximum size for content retrieved from a single URL is 34MB.
公開範囲 Localhost addresses (e.g., localhost, 127.0.0.1), private networks, and tunneling services (e.g., ngrok, pinggy) are not supported.
対応する形式 text/html、application/json、text/plain、text/xml、text/css、text/javascript、text/csv、text/rtf、image/png、image/jpeg、image/bmp、image/webp、application/pdf
非対応の形式 Paywalled content、YouTube videos、Google workspace files like Google docs or spreadsheets、Video and audio files

もう1つ見落としやすいのが、リンクをたどらない仕様です。ドキュメントは「The model will only retrieve content from the URLs you provide, not any content from nested links.」と明記しています。目次ページのURLだけを渡しても、その先の個別ページは読まれません。読ませたいページのURLを個別に渡す必要があります。

安全性のチェックも入ります。「If a URL fails this check, the corresponding url_context_result step will show a status of “unsafe”」とあり、取得の可否はレスポンスのステップ側で確認できます。エラー処理を書くときは、HTTPの失敗だけでなくこのステータスも見るようにしておくと、原因の切り分けが早くなります。

社内資料のように非公開のファイルを読ませたい場合は、この経路自体が向きません。手元の資料をまとめて扱う目的ならNotebookLMの使い方|資料整理・要約・音声概要まで解説で扱っている仕組みのほうが素直です。公開ページはグラウンディング、非公開資料は別の仕組み、と切り分けるのが現実的な設計になります。

Google Mapsグラウンディングとの違いと併用条件

Google Mapsグラウンディングとは、Google Mapsのデータを根拠にして、場所や地理的な文脈を含む回答を返す組み込みツールのことです。

同じ「グラウンディング」でも、Maps側には検索側に無い制約があります。主な違いは次のとおりです。

観点 Google検索によるグラウンディング Google Mapsによるグラウンディング
対応言語 works with all available languages currently only supports English language prompts and responses
既定の状態 google_searchツールを有効にして使う The Grounding with Google Maps tool is off by default.
Gemini 3世代の課金単位 実行された検索クエリごと モデルが実行を決めた検索クエリごと
Gemini 2.5世代の課金単位 プロンプトごと プロンプトごと、かつグラウンディング結果が1件以上返った場合のみ
表示上の義務 検索候補を回答と一緒に表示する 出典名とMapsへのリンクを直後に表示する

言語の制限は実務への影響が大きい項目です。Grounding with Google Maps | Gemini APIは「Grounding with Google Maps currently only supports English language prompts and responses.」と書いており、日本語のプロンプトで店舗情報を扱う用途には現時点で合いません。既定状態についても「Default State: The Grounding with Google Maps tool is off by default. You must explicitly enable it in your API requests.」と明示されています。

課金の考え方は検索側と対になっています。同ページは旧世代について「Gemini 2.5 and older models: Your project is billed per search prompt . A request is only billed if the prompt successfully returns at least one Google Maps grounded result」と記しており、結果が返らなかったリクエストは課金対象外という条件が付きます。

表記のルールも決められています。Google Mapsという表記について「Don’t change the capitalization of Google Maps.」とあり、大文字小文字を変えないこと、途中で改行しないこと、他言語へ訳さないこと、ブラウザの翻訳を防ぐためにtranslate=”no”属性を使うことが求められています。UIの実装時に見落としやすい部分です。

なお両者は併用できます。検索側のドキュメントには併用可能なツールとして「Grounding with Google Maps (supported on Gemini 3.5 Flash and later models)」と条件が添えられており、モデルの世代によって組み合わせの可否が変わります。

ツールを組み合わせるときに崩れやすい条件

ツールの組み合わせとは、検索やURLコンテキストなどの組み込みツールと、自前の関数呼び出しを同じやり取りの中で併用する構成のことです。

Gemini 3世代では組み込みツールとカスタムツールを一緒に使えますが、そのときに前提が変わる箇所があります。Tool combination | Gemini APIに書かれている注意点のうち、費用と挙動に効くのは次の3つです。

1つ目はトークンの二重課金に関する例外です。ドキュメントは「The Google Search tool is an exception to this rule. Google Search already applies its own pricing model at the query level, so tokens are not double-charged」と述べています。組み込みツールの呼び出し部分は原則としてプロンプトのトークン数に加算されますが、検索ツールはクエリ単位の課金体系を持つため、この加算の対象から外れます。

2つ目はモードの制約です。「Default to validated mode ( auto mode is not supported) when tool context circulation is enabled.」とあり、ツールのコンテキスト循環を有効にした構成ではautoモードが使えません。既存のコードをそのまま持ち込むと、ここで想定外の挙動になります。

3つ目は指示文の衝突です。「Built-in tools like google_search rely on location and current time information」と書かれているとおり、検索ツールは位置情報と現在時刻に依存します。システム指示や関数の説明文に矛盾する場所・時刻の情報が入っていると、組み合わせがうまく働かないことがあります。固定の日付や地域をシステム指示へ書き込んでいる場合は、まずそこを疑うのが近道です。

エージェント的な構成で運用へ乗せる段階の話はGoogle Gemini APIのManaged Agentsを本番運用向けに拡張|2026年の最新情報で触れています。ツール単体の検証と、運用に載せた後の設計は分けて考えると手戻りが減ります。

利用規約が定める表示・保存・再利用のルール

グラウンディングの利用条件とは、返ってきた回答と検索候補をどう表示し、どこまで保存・再利用してよいかを定めたGemini APIの追加規約のことです。

技術的に動くことと、規約上使ってよいことは別です。Gemini API Additional Terms of Serviceには、この機能に固有の条項が置かれています。

表示については「You will only use Grounding with Google Search in an application that is owned and operated by you and will only display the Grounded Results with the associated Search Suggestion(s) to the end user who submitted the prompt.」と定められています。自分が所有し運営するアプリケーションで使うこと、そして回答は対応する検索候補と一緒に、プロンプトを送った本人へ表示することが条件です。レスポンスに返るsearch_suggestionsを描画せず回答だけを出す実装は、この条項に照らして見直す必要があります。

再利用については制限がより具体的です。「You will not, and will not allow your end user or any third party to, cache, frame, syndicate, resell, analyze, train on, or otherwise learn from Grounded Results or Search Suggestions.」とあり、キャッシュ、フレーム表示、シンジケート配信、再販売、分析、学習への利用が並べて禁止されています。検索結果を集めて自前のインデックスを作るような使い方も、規約が例示する禁止行為に含まれます。

保存には限定的な例外があります。「You may copy and store, for up to two (2) years, the text of the Grounded Result(s)」として、表示の改善を目的とした評価、利用者が自分の履歴を見返すため、後続のプロンプトへ再投入するための一時保存という用途が挙げられています。無条件の保存が認められているわけではないため、ログ設計を決める前に条項本文を読んでおくのが安全です。

実務上は、法務確認の前に「検索候補を表示する場所がUIにあるか」を先に決めておくと話が早く進みます。表示領域を後から足すのは、画面設計の中で最も面倒な変更になりやすいためです。

企業向けプラットフォームで選べる8種類のグラウンディング

企業向けのグラウンディングとは、ウェブ検索だけでなく自社の文書や検索基盤を根拠として選べる、Gemini Enterprise Agent Platform側の接続方式のことです。

社内データを根拠にしたい場合、Gemini APIの検索グラウンディングだけでは足りません。Grounding overview | Google Cloudは、選択できるグラウンディングの種類を一覧で示しています。

種類 公式ページの説明
Grounding with Google Search Googleの検索エンジンの結果を使って、世界知識と幅広いトピックへモデルを接続する
Grounding with Google Maps Google Mapsのデータを使い、地理的な文脈を含むより正確な回答を返す
Grounding with Agent Search Use retrieval-augmented generation (RAG) to connect your model to your website data or your sets of documents stored in Agent Search.
Grounding with RAG Engine on Gemini Enterprise Agent Platform 設定可能なマネージドRAGサービスであるRAG Engineを通じて自社データで根拠付けする
Grounding with Elasticsearch Use retrieval-augmented generation with your existing Elasticsearch indexes and Gemini.
Grounding with your search API Connect Gemini to your external data sources by grounding with any search API.
Web Grounding for Enterprise Use a web index suitable for highly-regulated industries to generate grounded responses with compliance controls.
Grounding with Parallel web search Connect Gemini to an LLM-optimized web index to use the most recent information from the web.

選び分けの軸は「根拠をどこに置くか」です。公開ウェブでよいならGoogle検索、既存の検索基盤があるならElasticsearchや自前の検索API、規制業種で統制が要るならWeb Grounding for Enterprise、という具合に、データの所在と監査要件から逆算すると候補が絞れます。同ページの記載では、グラウンディングの利点として出典へのリンクによる監査可能性が挙げられており、後から根拠をたどれることが選定の前提になっています。

導入前チェックリストと仮の例での費用試算

導入前チェックとは、実装に入る前に課金単位・表示義務・対応言語・上限値といった前提条件を確認し、後戻りを防ぐ確認作業のことです。

ここまでの内容を、着手前に確認する順番へ並べ替えます。次の7点です。

  • 使うモデルの世代を決める(課金がクエリ単位かプロンプト単位かが変わる)
  • 無料分の単位を確認する(月あたりのリクエスト数か、1日あたりのRPDか)
  • 検索候補を表示するUIの置き場所を先に決める
  • Gemini本体のトークン料金を別枠で見積もる
  • URLを指定して読ませる処理が必要かを切り分ける
  • 地理情報を扱うなら対応言語の制限を確認する
  • ログの保存期間と用途を規約の条項と突き合わせる

費用感をつかむために、仮の例で計算してみます。仮にGemini 3.x系のモデルを有料ティアで使い、ある月に検索クエリが合計8,000件実行されたとします。料金ページの記載は「5,000 free search requests per month (shared across all Gemini 3.x models), then $14 per 1,000 requests.」なので、無料分5,000件を差し引いた3,000件が課金対象になり、1,000件あたり14米ドルの単価で計算すると42米ドルという試算になります(単価の出典はGemini Developer API Pricing、取得日は2026年9月20日)。これはあくまで単価から機械的に計算した仮の例であり、実際の請求額ではありません。

この試算にGemini本体の入出力トークン料金は含まれていません。料金ページの注記が「Costs for Gemini always apply.」と述べているとおり、ツールの利用料と推論の利用料は別立てです。合算の考え方は前掲の料金解説記事で整理しています。

用途の当たりを付ける段階であれば、APIを書く前に既存の機能で代替できないかを見ておくと無駄が減ります。目的別の使い分けはGoogle AI活用事例を目的別に整理|仕事・学習・SNS運用で使う方法に、役割を固定した専用アシスタントを作る手順はGeminiのGemの作り方|設定手順・使い分け・共有時の注意点にまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 課金せずに動きを試す方法はありますか
Gemini APIの追加規約は、この機能をGoogle AI StudioではUnpaid Service、Gemini API経由ではPaid Serviceとして区分しています。挙動の確認だけであればAI Studio側が入口になります。区分の原文はGemini API Additional Terms of Serviceで確認できます。
Q2. 1回のリクエストで課金は1回だけですか
Gemini 3世代では、モデルが実行を決めた検索クエリの数だけ課金されます。料金ページの注記も、1件のリクエストが複数の検索クエリになりうること、実行された各クエリに対して課金されることを明記しています。詳細はGemini Developer API Pricingを参照してください。
Q3. 日本語のプロンプトでも使えますか
検索によるグラウンディングについて、公式ドキュメントは利用可能なすべての言語で動作すると記しています。一方でGoogle Mapsによるグラウンディングは、現時点では英語のプロンプトとレスポンスのみに対応するとGrounding with Google Maps | Gemini APIに書かれており、両者で条件が異なります。
Q4. 渡したページの中のリンク先も読んでくれますか
読みません。URLコンテキストのドキュメントは、提供されたURLからのみコンテンツを取得し、入れ子のリンクからは取得しないと明記しています。目次ページではなく、読ませたい個別ページのURLを渡す設計が必要です。記載はURL context | Gemini APIにあります。
Q5. 取得した検索結果を蓄積して分析に使えますか
規約はキャッシュ、フレーム表示、シンジケート配信、再販売、分析、学習への利用をまとめて制限しています。表示の最適化や利用者の履歴閲覧など限定された用途について、最長2年の保存に関する記述はありますが、無条件の蓄積を認めるものではありません。条項本文はGemini API Additional Terms of Serviceにあります。
Q6. 古いコードのツール指定はそのままで動きますか
公式ドキュメントは、古いモデルがgoogle_search_retrievalツールを使うこと、現行のすべてのモデルではgoogle_searchツールを使うことを注記しています。旧世代向けに書いたコードを移すときは、この指定名を確認してください。注記はGrounding with Google Search | Gemini APIに掲載されています。

まとめ

Google検索によるグラウンディングは、回答を検索結果に結び付けて引用付きで返す機能です。導入の判断で効くのは、機能の華やかさよりも前提条件のほうでした。

課金はGemini 3世代が検索クエリ単位、Gemini 2.5以前がプロンプト単位で、無料分の数え方も月あたりと1日あたりに分かれます。レスポンスには検索クエリ、検索候補のスニペット、引用位置の注釈が返り、このうち検索候補は規約上、回答と一緒に表示することが求められます。

指定したページを深く読ませたいときはURLコンテキストツールを併用しますが、1リクエスト20件、1URLあたり34MBという上限と、入れ子リンクをたどらない仕様、そしてペイウォールや非公開ファイルに対応しない制限が先に効いてきます。地理情報を扱うMaps側は対応言語が英語のみという条件も残っています。

数値と可否はいずれも公式ページの更新でそのまま変わる項目です。実装前には本文に置いた出典リンクをたどり、その時点の記載を確認してから設計に入ってください。他のAIサービスと並べて検討する段階であればGeminiとChatGPTの違いはどっち?無料で使うならどう選ぶ?も判断材料になります。

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本記事は公式情報・専門メディアを参考に執筆しています。最新の正確な情報は引用元の公式ページをご確認ください。

この記事を書いた人

株式会社S.Line 代表取締役。偏差値39から起業し、AIとSNSの活用で「普通の人」が成果を出す方法を発信。

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