Gemini API料金の読み方2026|モデル別単価・キャッシュ・無料枠・試算

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📅 公開日: 2026年9月16日🔄 最終更新: 2026年10月14日

Gemini APIの料金は、2026年10月14日に確認した時点で、Google AI for Developersの公式料金ページに、モデルごとの「Paid Tier, per 1M tokens in USD」(有料枠・100万トークンあたり米ドル)として入力単価・出力単価・コンテキストキャッシュ単価が掲載されています。結論から言うと、読み方の要点は4つです。第1に、2026年10月13日に一般提供(GA)が始まったGemini 4 Argon(gemini-4-argon)は、「$2.00 through November 30, 2026. $4.00 starting December 1, 2026.」のように、2026年11月30日までと12月1日以降で入力単価の数値が2倍になる表記で、無料枠は「Not available」であること。第2に、Gemini 3.8 Flash / 3.6 Flashは「$0.75 through December 31, 2026. $1.50 starting January 1, 2027.」と、2026年12月31日までと2027年1月1日以降で数値が2倍になる表記であること。第3に、出力単価の行は「Output price (including thinking tokens)」で、思考トークンが出力に含まれること。第4に、Standard(標準)以外にBatch・Flex・Priorityという提供tierがあり、同じモデルでも単価が変わることです。

この記事では、Gemini APIをこれから使う個人開発者や、社内ツール・SNS運用の自動化でAPI費用を見積もる担当者向けに、公式ページの文言を引用しながら、料金の基本構造、モデル別単価、旧モデル(2.5 Flash・3.7 Flash・3.5 Flash)の提供状況、期限付き価格の読み方、思考トークン、コンテキストキャッシュ、Batch・Flex・Priorityの使い分け、無料枠の範囲、月間利用量からの試算式、英語版と日本語版の確認までを順に整理します。金額はすべて同じ段落に公式ページのリンクを添え、根拠のない数値や順位は書いていません。単価は取得日(2026年10月14日)時点の掲載内容で、公式ページ末尾には「Costs for Gemini always apply. Rate limits are subject to change.」と明記されているため、実際の契約前には公式ページを再確認してください。

目次

Gemini API料金の基本構造|無料枠・有料枠と100万トークン単価

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Gemini API料金の基本構造とは、Google AI for Developersの料金ページに掲載されている「Free(無料枠)」「Paid(有料枠)」「Enterprise」の3区分と、有料枠で適用される100万トークンあたり米ドル建ての入力・出力・コンテキストキャッシュ単価の組み合わせを指します。

まず、公式料金ページの冒頭には「Start building free of charge with generous limits, then scale up with prepaid then pay-as-you-go pricing for your production ready applications.」(十分な上限で無料で構築を始め、本番向けにはプリペイドから従量課金へ拡張する)とあり、Free・Paid・Enterpriseの3区分が並んでいます。Freeの説明には「Limited access to certain models」「Free input & output tokens」「Google AI Studio access」「Content used to improve our products*」、Paidの説明には「Higher rate limits for production deployments」「Access to Context caching」「Batch API (50% cost reduction)」「Access to Google’s most advanced models」「Content not used to improve our products*」と書かれています(公式料金ページ)。つまり無料枠と有料枠の違いは、料金だけでなく、使えるモデルの範囲、レート上限、キャッシュやBatchの利用可否、入力内容がGoogleの製品改善に使われるかどうかにも及びます。

次に単価の単位です。各モデルの表は「Free Tier」と「Paid Tier, per 1M tokens in USD」の2列で構成され、行は「Input price」「Output price (including thinking tokens)」「Context caching price」「Grounding with Google Search」などに分かれています。1M(100万)トークンあたりの米ドル額なので、月間の入力トークン数を100万で割った値に入力単価を掛け、出力も同様に計算して足すのが基本の見積もり式です(具体的な式と仮の例は後述の試算の章で扱います)。

Gemini APIをまだ触ったことがない方は、無料枠で何ができるかを先に把握しておくと単価表が読みやすくなります。Google AIの無料範囲を整理したGoogle AI無料活用ガイドと、AI StudioやGeminiアプリの入口をまとめたGoogle AIの使い方ガイドを先に読んでおくと、この記事の「Free Tier」列の意味がつかみやすくなります。

モデル別の入力・出力・キャッシュ単価一覧(2026年10月14日確認)

モデル別単価とは、Gemini APIで使えるモデルごとに、100万トークンあたりの入力単価・出力単価(思考トークンを含む)・キャッシュ単価が個別に決まっている料金表のことで、同じGeminiでも世代と用途によって数倍の差があります。

以下の表は公式料金ページの各モデル表から、Standardの有料枠単価(100万トークンあたり米ドル)、キャッシュ単価、無料枠の表記を抜き出したものです。入力単価の括弧内はモダリティ別の表記、出力は「Output price (including thinking tokens)」の行です。Gemini 4 Argonは「through November 30, 2026」と「starting December 1, 2026」、3.8 / 3.6 Flashは「through December 31, 2026」と「starting January 1, 2027」の2段表記なので、表では両方を併記しています。

モデル(モデルコード) 入力単価(Standard・有料枠) 出力単価(思考トークン含む) キャッシュ単価(有料枠) 無料枠の入力・出力
Gemini 4 Argon(gemini-4-argon) $2.00(2026年11月30日まで)/$4.00(2026年12月1日から) $10.00(2026年11月30日まで)/$20.00(2026年12月1日から) $0.10(2026年11月30日まで)/$0.20(2026年12月1日から)。暗黙キャッシュのみ Not available
Gemini 3.8 Flash(gemini-3.8-flash) $0.75(2026年12月31日まで)/$1.50(2027年1月1日から) $3.75(2026年12月31日まで)/$7.50(2027年1月1日から) $0.075(2026年12月31日まで)/$0.15(2027年1月1日から) Free of charge
Gemini 3.6 Flash(gemini-3.6-flash) $0.75(2026年12月31日まで)/$1.50(2027年1月1日から) $3.75(2026年12月31日まで)/$7.50(2027年1月1日から) $0.075(2026年12月31日まで)/$0.15(2027年1月1日から) Free of charge
Gemini 3.5 Flash-Lite(gemini-3.5-flash-lite) $0.30 (text / image / video / audio) $2.50 $0.03 Free of charge
Gemini 3.1 Flash-Lite(gemini-3.1-flash-lite) $0.25 (text / image / video)/$0.50 (audio) $1.50 $0.025 (text / image / video)/$0.05 (audio) Free of charge
Gemini 3.1 Pro Preview(gemini-3.1-pro-preview) $2.00 (prompts <= 200k tokens)/$4.00 (prompts > 200k tokens) $12.00 (prompts <= 200k)/$18.00 (prompts > 200k) $0.20 (prompts <= 200k)/$0.40 (prompts > 200k) Not available
Gemini 2.5 Pro(gemini-2.5-pro) $1.25 (prompts <= 200k tokens)/$2.50 (prompts > 200k tokens) $10.00 (prompts <= 200k)/$15.00 (prompts > 200k) $0.125 (prompts <= 200k)/$0.25 (prompts > 200k) Free of charge
Gemini 2.5 Flash(gemini-2.5-flash) $0.30 (text / image / video)/$1.00 (audio) $2.50 $0.03 (text / image / video)/$0.1 (audio) Free of charge
Gemini 2.5 Flash-Lite(gemini-2.5-flash-lite) $0.10 (text / image / video)/$0.30 (audio) $0.40 $0.01 (text / image / video)/$0.03 (audio) Free of charge
Gemini Embedding 2(gemini-embedding-2)テキスト入力 $0.20 (埋め込みモデルのため出力単価の行なし) (行なし) Free of charge

表から読み取れる構造は4点あります。1点目は、Gemini 4 Argonだけが「導入価格の期限が2026年11月30日、次の単価が12月1日から」で、3.8 / 3.6 Flashの期限(2026年12月31日)と1か月ずれていること。2点目は、Pro系(3.1 Pro Preview、2.5 Pro)だけがプロンプト長200kトークンを境に単価が変わること。3点目は、Gemini 4 Argonと3.1 Pro Previewの無料枠が「Not available」で、無料枠では使えないモデルがあること。4点目は、2.5系の無料枠が料金ページ上は「Free of charge」と表記される一方で、2.5系のアクセスはモデル一覧で別途説明されていること(次のH2で扱います)。いずれも公式料金ページの各モデル表の表記です。なお、画像生成モデルは同じページの注記に「Image output is priced at $30 per 1,000,000 tokens (Standard)」(Gemini Nano Banana 2.1。1K画像は1枚あたり$0.0336に相当)とあり、テキストモデルとは別の体系なので、この表には含めていません。

どのモデルを選ぶかは単価だけでは決まりません。Gemini 4 Argonは、料金ページの説明で「Our flagship reasoning model」、つまり旗艦の推論モデルと位置づけられ、複雑なソフトウェア開発や数学・科学の問題、自律的な複数手順のエージェント向けとされています(公式料金ページ)。3.8 Flashの入出力上限やThinking対応、旧世代との違いはGemini 3.8 Flashとは?できること・制限・旧世代Flashとの違いで整理しています。公式モデル一覧では3.6 Flashが「Our previous-generation Flash model」と表記されているため、3.6 Flashを今から新規採用する場合は、公式料金ページの単価と世代の位置づけの両方を見て判断することになります。過去に整理した3.5 Flashの記事(操作手順はGemini 3.5 Flash 使い方、性能面はGemini 3.5 Flash 性能 活用事例)は、当時のモデルを扱った内容です。3.5 Flashは2026年10月8日に非推奨になっているため、現在の提供状況は次のH2を確認してください。

旧モデルの無料枠と提供状況|2.5系・3.7 Flash・3.5 Flashは今どうなっているか

旧モデルの提供状況とは、料金ページ・モデル一覧・Release notesの3つの公式ページで、そのモデルが現行として掲載されているか、非推奨の告知が出ているか、利用者が限定されているかを照合した結果で、無料枠の有無を調べる前に先に確認する項目です。

「2.5 Flashの無料枠」のように旧モデルの無料枠を探すときは、単価の前に、そのモデルが今も提供されているかを確かめる必要があります。2026年10月14日に確認した公式ページの記載は次のとおりです。

モデル(モデルコード) 2026年10月14日時点の公式の記載 確認先
Gemini 4 Argon(gemini-4-argon) 2026年10月13日に一般提供(GA)。無料枠では使えない 公式Release notes(Changelog)、公式料金ページ
Gemini 3.8 Flash(gemini-3.8-flash) モデル一覧で「New Stable」。料金ページでは無料枠が「Free of charge」 公式モデル一覧、公式料金ページ
Gemini 3.7 Flash(gemini-3.7-flash) 2026年10月8日に非推奨(deprecated)。gemini-3.8-flashに置き換えられ、AI Studioでは選択できず、APIリクエストはgemini-3.8-flashへ自動で振り替えられる。非推奨・旧モデルで、料金ページに項目はない 公式Release notes(Changelog)、公式料金ページ
Gemini 3.6 Flash(gemini-3.6-flash) モデル一覧で「Our previous-generation Flash model」、状態は「Stable」。料金ページに項目あり 公式モデル一覧、公式料金ページ
Gemini 3.5 Flash(gemini-3.5-flash) 2026年10月8日に非推奨(deprecated)。gemini-3.6-flashに置き換えられ、AI Studioでは選択できず、APIリクエストはgemini-3.6-flashへ自動で振り替えられる。非推奨・旧モデルで、料金ページに項目はない 公式Release notes(Changelog)、公式料金ページ
Gemini 2.5 Flash / 2.5 Flash-Lite / 2.5 Pro モデル一覧に「not deprecated」と明記。ただし2.5系へのアクセスは過去に利用した利用者に限っていると説明。料金ページには項目あり 公式モデル一覧、公式料金ページ

2.5系について、公式モデル一覧の2.5 Flashの節には「To ensure reliable performance for everyone, we are limiting access to the 2.5 models to users who have actively used them in the past.」(全員の安定性のため、2.5モデルへのアクセスを過去に利用した利用者に限っている)と書かれています。同じ節には「These models are not deprecated and will continue to be served until further notice through the API.」(これらのモデルは非推奨ではなく、追って通知があるまでAPIで提供を続ける)ともあり、新規プロジェクトには「3.5 Flash-Lite or 3.8 Flash」を使うよう案内されています。一方、公式料金ページのGemini 2.5 Flashの表は、Standardの入力・出力が無料枠で「Free of charge」、有料枠の入力が$0.30 (text / image / video)・$1.00 (audio)、出力が$2.50(取得日2026年10月14日、USD、100万トークンあたり)です。

つまり、gemini-2.5-flashは提供終了ではなく、料金ページには無料枠も載っています。ただし、モデル一覧は2.5系のアクセスが過去の利用者に限られると説明しているため、新しく作ったプロジェクトで2.5 Flashの無料枠がそのまま使えるかは、料金ページの表記だけでは判断できません。この記事では、2つのページの書き方に違いがある点を示すにとどめ、可否は断定しません。実際に使いたい場合は、自分のプロジェクトで少量のリクエストを送って通るかを確認し、新規に始めるなら公式が案内する3.5 Flash-Liteか3.8 Flashの単価(上の表)で見積もるのが安全です。

3.7 Flashと3.5 Flashは、公式Release notes(Changelog)の2026年10月8日の項目に「gemini-3.7-flash is deprecated and has been replaced by gemini-3.8-flash.」「gemini-3.5-flash is deprecated and has been replaced by gemini-3.6-flash.」と書かれています。どちらも「API requests to … are automatically routed to」の表記で、リクエストは後継モデルへ自動で振り替えられます。旧モデル名のまま使い続けている場合は、モデル名の文字列を後継に更新し、単価は後継モデルの行(公式料金ページ)で見積もり直してください。記事や過去の資料にある3.7 Flash・3.5 Flashの単価は、現行の料金ページに項目がないため、そのまま使えません。

期限付き価格の読み方|「through November 30」「through December 31」と改定告知

期限付き価格とは、公式料金ページで「$2.00 through November 30, 2026. $4.00 starting December 1, 2026.」のように、適用期限と次の単価が同じセルに併記されている表記のことで、期限までの単価と期限後の単価が事前に告知されている状態を指します。

Gemini 4 Argonの入力単価のセルは「$2.00 through November 30, 2026. $4.00 starting December 1, 2026.」、出力単価のセルは「$10.00 through November 30, 2026. $20.00 starting December 1, 2026.」、コンテキストキャッシュは「$0.10 through November 30, 2026. $0.20 starting December 1, 2026.」です(公式料金ページ)。Argonについては、Gemini 4 Argonの公式新機能ページも「Available through Nov 30, 2026 at an introductory price of $2/1M input tokens and $10/1M output tokens ($4/1M input and $20/1M output thereafter).」と、導入価格(introductory price)として書いています。Gemini 3.8 Flashのセルは「$0.75 through December 31, 2026. $1.50 starting January 1, 2027.」(入力)、「$3.75 through December 31, 2026. $7.50 starting January 1, 2027.」(出力)、「$0.075 through December 31, 2026. $0.15 starting January 1, 2027.」(キャッシュ)で、保存料金も「$0.50 / 1,000,000 tokens per hour (storage price) through December 31, 2026. $1.00 / 1,000,000 tokens per hour (storage price) starting January 1, 2027.」と同じ形式です。入力・出力・キャッシュ・保存のいずれも、期限後は数値が2倍になる表記だと読めます。

この表記を見積もりに反映する時の注意は2つあります。1つ目は、期限前の単価だけで予算を組むと、期限後の分が半分に見積もられることです。使うモデルによって切り替え日が違い、Gemini 4 Argonは2026年12月1日、3.8 / 3.6 Flashは2027年1月1日なので、2026年12月は「Argonは新単価、Flashは旧単価」の月になります。月ごとに、モデル別の適用単価を分けて計算する必要があります。2つ目は、3.8 / 3.6 Flashの2段表記について公式ページが理由を説明していない点です。ページに書かれているのは適用期限と金額だけなので、この記事でも「期間限定の値下げ」といった解釈はFlashには加えず、表記どおりに扱います。Argonについてだけは、公式が「introductory price」と書いています。

価格改定や提供終了の告知を追う場所も公式ページに揃っています。料金ページ末尾には「Last updated」として最終更新日(UTC)が表示され、2026年10月14日に取得した時点では「Last updated 2026-10-13 UTC.」でした。モデルの版種別については公式モデル一覧に「Preview models will typically have billing enabled, might come with more restrictive rate limits and will be deprecated with at least 2 weeks notice.」(プレビューモデルは通常課金対象で、レート上限が厳しく、少なくとも2週間前の告知で非推奨になる)、「For breaking changes, a 2-week notice will be provided through email before the version behind latest is changed.」(latestエイリアスの中身が変わる破壊的変更は2週間前にメールで告知)と書かれています。提供終了済みのモデルは同じページに「Gemini 2.0 Flash (Shut down)」のように明示されます。定期的に確認する先としては、公式Release notes(Changelog)(2026年10月13日にGemini 4 Argonが一般提供、10月8日に3.7 Flash・3.5 Flashの非推奨が告知されています)と公式Deprecationsページの2つを押さえておけば、単価の変更とモデルの終了の両方を追えます。

出力単価に思考トークンが含まれる理由と見積もりへの影響

「Output price (including thinking tokens)」とは、モデルが最終回答を出す前に内部で生成する思考(thinking)トークンも出力トークンとして課金対象に含まれる、という公式料金ページの行見出しで、見積もりでは最終回答の文字数だけでなく思考分も出力量に含めて計算する必要があることを意味します。

公式料金ページの出力単価の行は、Gemini 4 Argonから2.5 Flash-Liteまで、この記事の単価表に載せたテキスト生成モデルで「Output price (including thinking tokens)」と書かれています。つまり、ユーザーの目に見える回答が500トークンでも、モデルが思考に2,000トークン使えば、課金される出力は2,500トークン側で計算されます。出力単価は入力単価より高く設定されており(Gemini 4 Argonで入力$2.00に対し出力$10.00、2026年11月30日までの表記。3.8 Flashで入力$0.75に対し出力$3.75、2026年12月31日までの表記)、思考トークンの量が費用に与える影響は入力より大きくなります。

Gemini 4 Argonは思考の深さを選べます。Gemini 4 Argonの公式新機能ページによると、thinking_levelはlow・medium・highの3段階で、既定値はmediumです。同じページには「max_output_tokens is a hard limit: the response stops once thinking and output together reach it」(max_output_tokensは厳格な上限で、思考と出力の合計が上限に達すると応答が止まる)とあり、入力・思考・出力は1,048,576トークンの1つの枠を共有する、とも書かれています。思考を深くするほど出力トークンが増えて単価の高い行に積み上がるため、見積もりでは使うthinking_levelごとに実測するのが前提です。

見積もりで実務上つまずきやすいのは、「出力=回答の長さ」と決め打ちしてしまう点です。回避策は、実際にAPIを数十回呼び出して、レスポンスに含まれる使用トークン数(思考分を含む出力トークン数)の平均を取り、それを1リクエストあたりの出力量として見積もりに使うことです。公式料金ページには思考トークンの平均量や比率は掲載されていないため、自分のプロンプトとThinking設定で実測した値を使うしかありません。この記事でも、思考トークンが出力の何割を占めるかという一般的な数値は提示しません。

また、エージェント的に複数回のモデル呼び出しを繰り返す構成では、公式料金ページの「Managed agents in Gemini API」の行に「All model inference is charged at standard Gemini list rates, including input, output, and intermediate input / reasoning tokens generated during agentic loops.」(エージェントループ中に生成される中間の入力・推論トークンも含め、すべてのモデル推論が標準の掲載単価で課金される)とあります。ループの途中で発生するトークンも積み上がるので、1タスクあたりの総トークン数で見積もる必要があります。Gemini APIのマネージドエージェントの位置づけはGoogle Gemini APIのManaged Agentsを本番運用向けに拡張で整理しています。

コンテキストキャッシュの料金|暗黙キャッシュと保存料金の仕組み

コンテキストキャッシュ料金とは、同じ入力トークン(長いシステムプロンプトや共通の資料など)を繰り返し送る場合に、キャッシュにヒットした分を通常の入力単価より低い「Context caching price」で課金し、明示的にキャッシュを保持する場合は別途「storage price」(100万トークン・1時間あたり)がかかる仕組みです。

Gemini 3.8 Flashの「Context caching price」は「$0.075 through December 31, 2026. $0.15 starting January 1, 2027.」で、同じ期間の入力単価「$0.75」「$1.50」と比べると、掲載数値どおりに読めばキャッシュ分は入力単価の10分の1の金額で課金される表記です(公式料金ページ)。保存料金は「$0.50 / 1,000,000 tokens per hour (storage price) through December 31, 2026.」で、これはキャッシュを明示的に保持している時間に対してかかります。Gemini 4 Argonは「Implicit caching only (explicit caching is not supported).」と書かれ、暗黙キャッシュだけが使えます。キャッシュ単価は「$0.10 through November 30, 2026. $0.20 starting December 1, 2026.」で、Gemini 4 Argonの公式新機能ページは「Implicit caching discounts cached input by 95%, to $0.10 per 1M tokens」と説明しています。

キャッシュには「暗黙(implicit)」と「明示(explicit)」の2種類があります。公式Context cachingページには「Implicit caching is enabled by default for all Gemini 2.5 and newer models.」(暗黙キャッシュは2.5以降の全モデルで既定で有効)、「You don’t need to configure anything to turn it on.」(有効化のための設定は不要)とあります。暗黙キャッシュが効く最小入力トークン数も同ページの表に掲載されており、Gemini 4 Argon、3.8 Flash、3.6 Flash、3.1 Pro Previewは4,096、Gemini 2.5 Flashと2.5 Proは2,048です。この閾値未満の短いプロンプトでは暗黙キャッシュの対象になりません。

ヒット率を上げる方法も公式Context cachingページに書かれています。同ページの助言は「Try putting large and common contents at the beginning of your prompt」(大きく共通する内容をプロンプトの先頭に置く)と「Try to send requests with similar prefix in a short amount of time」(似た先頭部分を持つリクエストを短時間に送る)の2つで、実際にヒットしたトークン数はレスポンスの「usage.total_cached_tokens」で確認できます。注意点として、同ページには「The Interactions API only supports implicit caching. Explicit caching (manually creating and managing cache objects) is not supported in the Interactions API, or for Gemini 4 Argon and onward. To use explicit caching on supported Gemini 3 and 2.5 models, switch to the generateContent API.」とあり、明示キャッシュを使うにはgenerateContent APIと、明示キャッシュに対応するGemini 3 / 2.5系のモデルを選ぶ必要があります。

費用感を仮の例で示します。共通の前置き資料が100,000トークンあり、これを月に1,000回のリクエストで毎回送ると仮定すると、入力は合計100,000,000トークン(1億トークン)です。公式料金ページに掲載されたGemini 3.8 Flashの2026年12月31日までの入力単価$0.75で計算すると100×$0.75=$75.00、仮にこの全量がキャッシュヒットしてキャッシュ単価$0.075で課金されれば100×$0.075=$7.50になります。Gemini 4 Argonの2026年11月30日までの単価で同じ計算をすると、入力100×$2.00=$200.00、全量ヒットなら100×$0.10=$10.00です。ただし、ヒット率は保証されておらず、明示キャッシュなら保持時間分の保存料金が加わるため、この差額はあくまで「全量ヒット」を仮定した上限の目安です。実際の削減額は「usage.total_cached_tokens」の実測値で確認してください。

Batch・Flex・Priorityの違い|4つの提供tierを料金と待ち時間で選ぶ

提供tier(service tier)とは、同じモデルを「Standard(標準・既定)」「Batch(非同期・50%割引)」「Flex(同期・50%割引・ベストエフォート)」「Priority(同期・割増・優先処理)」のどの方式で呼び出すかの区分で、料金ページでは各モデル表がStandard・Batch・Flex・Priorityの4ブロックに分かれています。

公式の説明を順に引用します。Batchについて公式Batch APIページは「The Gemini Batch API is designed to process large volumes of requests asynchronously at 50% of the standard cost. The target turnaround time is 24 hours, but in majority of cases, it is much quicker.」(大量のリクエストを非同期で標準の50%の費用で処理し、目標処理時間は24時間だが多くの場合はもっと早い)と説明しています。Flexについて公式Flex inferenceページは「The Gemini Flex API is an inference tier that offers a 50% cost reduction compared to standard rates, in exchange for variable latency and best-effort availability.」(可変の待ち時間とベストエフォートの可用性と引き換えに標準比50%割引)とし、ページ冒頭に「Preview」と明記しています。Priorityについて公式Priority inferenceページは「a premium inference tier designed for business-critical workloads that require lower latency and the highest reliability at a premium price point」(低遅延と高い信頼性を求める業務クリティカルな用途向けの割増tier)と説明し、こちらも「Preview」です。

項目 Standard Batch Flex Priority
料金(公式表記) Full price 50% discount 50% discount 75-100% more than Standard
Gemini 4 Argon 入力/出力(2026年11月30日まで) $2.00/$10.00 $1.00/$5.00 $1.00/$5.00 $3.60/$18.00
Gemini 3.8 Flash 入力/出力(2026年12月31日まで) $0.75/$3.75 $0.375/$1.875 $0.375/$1.875 $1.35/$6.75
待ち時間(公式表記) Seconds to minutes Up to 24 hours Minutes (1–15 min target) Low (Seconds)
信頼性(公式表記) High / Medium-high High (for throughput) Best-effort (Sheddable) High (Non-sheddable)
呼び出し形式 Synchronous(同期) Asynchronous(非同期) Synchronous(同期) Synchronous(同期)
Gemini 4 Argon 無料枠の表記 Not available Not available Not available Not available
Gemini 3.8 Flash 無料枠の表記 Free of charge Not available Not available Free of charge
提供状況 既定(service_tier省略時) 提供中(generateContent APIのみ) Preview Preview

表の料金・待ち時間・信頼性・呼び出し形式の行はFlex inferenceページとPriority inferenceページに共通で掲載されている比較表の表記、Gemini 4 Argonと3.8 Flashの単価と無料枠の行は公式料金ページの各ブロックの表記です(取得日2026年10月14日、USD、100万トークンあたり)。FlexとPriorityの対応モデルの一覧にはGemini 4 Argon、3.8 Flash、3.6 Flashが載っています。Priorityの無料枠が3.8 Flashで「Free of charge」と表記されている点は料金ページの記載そのままで、無料枠でPriorityが実際にどう動くかはページに説明がないため、この記事では解釈を加えません。

使い分けの判断は、待ち時間と失敗時の挙動で決まります。Batchは非同期で、公式ページに「Use Batch API for large-scale, non-urgent tasks such as data pre-processing or running evaluations where an immediate response is not required.」とあるとおり、即時応答が不要な前処理や評価向けです。Flexは同期のまま50%割引ですが、公式ページに「No server-side fallback: To prevent unexpected charges, the system won’t automatically upgrade a Flex request to the Standard tier if Flex capacity is full.」(容量不足時にStandardへ自動昇格しない)、「Flex requests may be preempted or evicted」(標準トラフィックが増えると退避されることがある)、「increasing client-side timeouts to 10 minutes or more」(クライアント側タイムアウトを10分以上に)と書かれており、再試行の実装が前提です。Priorityは逆に、公式ページに「overflow requests are automatically and gracefully downgraded to Standard processing instead of failing with a 503 or 429 error. Downgraded requests are billed at the standard rate, not the Priority premium rate.」(上限超過分はエラーにならずStandardへ降格され、その分は標準単価で課金)とあります。FlexとPriorityの指定方法はリクエストの「service_tier」フィールドで、省略時はstandardです(Batchは専用のBatch APIで送信します)。

費用だけを見ると「BatchかFlexで半額」と考えたくなりますが、公式Flex inferenceページではFlexは「Flex inference traffic counts towards your general rate limits; it doesn’t offer extended rate limits like the Batch API.」(一般のレート上限に含まれ、Batchのような拡張上限はない)とされています。大量処理でレート上限に当たるならBatch、同期で結果を受け取りながら順次処理したいならFlex、ユーザーが待っている画面ならStandardかPriority、という切り分けが公式の説明に沿った選び方です。

無料枠の範囲と有料枠への移行手順|Prepay・Postpayと利用tier

Gemini APIの無料枠(Free Tier)とは、新規アカウントが最初に置かれる区分で、一部モデルを無料枠のレート上限まで無料で使える代わりに、入力内容がGoogleの製品改善に使われ、Gemini 4 Argon、3.1 Pro Preview、3.8 FlashのBatch・Flexなど一部が使えない状態を指します。有料枠へは請求先アカウントを連携して最低$5をプリペイドすると移行します。

無料枠の定義は公式Billingページに「New accounts begin on the Free Tier, which allows access to certain models in the Gemini API and AI Studio, up to the models’ free tier rate limits.」と書かれています。公式料金ページの各モデル表では、3.8 FlashのStandardの入力・出力・キャッシュが「Free of charge」、BatchとFlexが「Not available」、Gemini 4 Argonと3.1 Pro Previewは全行「Not available」です。Gemini 4 Argonについては、料金ページの説明にもGemini 4 Argonの公式新機能ページにも「Gemini 4 Argon is not available on the Free tier or on the Google AI Pro plan.」(Gemini 4 ArgonはFree tierでもGoogle AI Proプランでも利用できない)と書かれています。このProプランがどの利用面を指すかは料金ページに説明がないため、契約を決める前に公式で確認してください。また3.8 Flash表の「Used to improve our products」行は無料枠が「Yes」、有料枠が「No」と明記されています。業務データや顧客情報を扱うなら、単価以前に「Yes / No」のこの行で有料枠を選ぶ判断になります。Google AIの利用条件全般はGoogle AI 利用条件 コンピューティングベースでも整理しています。

無料枠のレート上限は公式Rate limitsページに「Rate limits are applied per project, not per API key. Requests per day (RPD) quotas reset at midnight Pacific time.」(上限はAPIキー単位ではなくプロジェクト単位で、1日あたりの上限は太平洋時間0時にリセット)と書かれ、具体的な数値は「View your active rate limits in AI Studio」としてAI Studio上で確認する形です。同ページには「Specified rate limits are not guaranteed and actual capacity may vary.」ともあるため、無料枠の上限数値を固定値として設計に組み込まないほうが安全です。なお、公式料金ページ末尾には「Google AI Studio usage is free of charge in all available regions.」とあり、AI Studioの画面上での利用そのものは料金がかかりません。AI Studioで試作したアプリを公開する流れはGoogle AI Studio Androidアプリ開発で扱っています。

有料枠への移行手順は公式Billingページに沿うと次のとおりです。まずAI StudioのAPIキー画面かプロジェクト画面で「Set up billing」を選び、請求先アカウントを作成または選択します。次に「Upgrading from the Free Tier to the Paid Tier means linking a billing account and prepaying to add a minimum of $5 (or equivalent in other currencies) of credits to your account.」(最低$5、または他通貨の相当額をプリペイド)を行います。課金プランには「Prepay」と「Postpay」があり、「Prepay and Postpay billing plans start taking effect March 23, 2026.」と、2026年3月23日から順次適用されると書かれています。Prepayの注意点として同ページは「unused credits expire after 12 months and are non-refundable, except after switching to a Postpay account.」(未使用クレジットは12か月で失効し、Postpayへ切り替えた場合を除き返金不可)、「When your Prepay credit balance on the billing account hits $0, all API keys in all projects linked to that billing account will stop working simultaneously.」(残高が$0になると、その請求先に紐づく全プロジェクトの全APIキーが同時に停止)と明記しています。

有料枠の中にも利用tierがあります。公式Rate limitsページの表では、Freeが「Active project or free trial」、Tier 1が「Set up and link an active billing account」で請求上限$250、Tier 2が「Paid $100 + 3 days from first successful payment」で$2,000、Tier 3が「Paid $1,000 + 30 days from first successful payment」で「$20,000 – $100,000+」です。さらに支出ベースの上限として「Spend rate limit (per 10 minutes)」がTier 1で$10、Tier 2で$50、Tier 3で$200と掲載されており、短時間に高額のリクエストを集中させると429エラーになります。FreeからTier 1への昇格は「will typically take effect instantly」(通常は即時)です。利用量の確認先は公式Billingページで「Google AI Studio in Dashboard > Usage」と案内されています。

月間利用量別の試算式|仮の例で作る概算表

月間試算式とは、月間の入力トークン数と出力トークン数(思考トークン込み)をそれぞれ100万で割り、公式料金ページの単価を掛けて合計する計算方法で、キャッシュ・グラウンディング・提供tierによる補正を加えて概算を出します。単価は公式表記、利用量は自分の実測か仮定値です。

基本式は次のとおりです。月額(USD)=(月間入力トークン数 ÷ 1,000,000 × 入力単価)+(月間出力トークン数(思考込み)÷ 1,000,000 × 出力単価)+(キャッシュヒット分のトークン数 ÷ 1,000,000 × キャッシュ単価)+(明示キャッシュの保持トークン数 ÷ 1,000,000 × 保持時間 × 保存料金)+(Google検索グラウンディングの無料分超過リクエスト数 ÷ 1,000 × $14)。最後の項は3系以降のモデルの表に「5,000 free search requests per month (shared across all Gemini 3 and newer models), then $14 per 1,000 requests.」とある表記に基づきます(公式料金ページ)。BatchまたはFlexを使う場合は入力・出力・キャッシュ単価をそれぞれのブロックの数値に置き換え、Priorityも同様です。

以下は利用量を仮に置いた例です。利用量の数値は説明のための仮定であり、実績や推奨値ではありません。単価は公式料金ページの2026年10月14日時点の表記(USD、100万トークンあたり)で、Gemini 4 Argonは「2026年11月30日まで」と「2026年12月1日から」、3.8 Flashは「2026年12月31日まで」と「2027年1月1日から」の両方を計算しています。キャッシュ・グラウンディング・保存料金は含めていません。

仮の例 モデル・tier 月間入力/出力(思考込み) 計算 月額の概算
例1:個人の検証用途 Gemini 3.8 Flash・Standard(2026年12月31日まで) 2,000,000/500,000トークン 2×$0.75+0.5×$3.75 $3.375
例1(2027年) Gemini 3.8 Flash・Standard(2027年1月1日から) 2,000,000/500,000トークン 2×$1.50+0.5×$7.50 $6.75
例1をArgonで処理 Gemini 4 Argon・Standard(2026年11月30日まで) 2,000,000/500,000トークン 2×$2.00+0.5×$10.00 $9.00
例1をArgonで処理(12月以降) Gemini 4 Argon・Standard(2026年12月1日から) 2,000,000/500,000トークン 2×$4.00+0.5×$20.00 $18.00
例2:社内ツール Gemini 3.8 Flash・Standard(2026年12月31日まで) 20,000,000/5,000,000トークン 20×$0.75+5×$3.75 $33.75
例2(2027年) Gemini 3.8 Flash・Standard(2027年1月1日から) 20,000,000/5,000,000トークン 20×$1.50+5×$7.50 $67.50
例2をBatchで処理 Gemini 3.8 Flash・Batch(2026年12月31日まで) 20,000,000/5,000,000トークン 20×$0.375+5×$1.875 $16.875
例2をArgonで処理 Gemini 4 Argon・Standard(2026年11月30日まで) 20,000,000/5,000,000トークン 20×$2.00+5×$10.00 $90.00
例2をArgonのBatchで処理 Gemini 4 Argon・Batch(2026年11月30日まで) 20,000,000/5,000,000トークン 20×$1.00+5×$5.00 $45.00
例3:軽量モデルへ変更 Gemini 3.5 Flash-Lite・Standard 20,000,000/5,000,000トークン 20×$0.30+5×$2.50 $18.50
例4:旧世代軽量モデル Gemini 2.5 Flash-Lite・Standard 20,000,000/5,000,000トークン 20×$0.10+5×$0.40 $4.00

この表から読める判断材料は4つです。1つ目は、同じ利用量でも期限の前後で月額が2倍になる点で、3.8 Flashは2026年内と2027年以降、Gemini 4 Argonは2026年11月30日までと12月1日以降で、年度予算や四半期予算は期間を分けて計算する必要があります。2つ目は、即時応答が不要な処理をBatchへ回すと、例2では3.8 Flashが$33.75から$16.875、Argonが$90.00から$45.00になる点で、公式Batch APIページの「50% of the standard cost」の表記どおりの結果です。3つ目は、同じ利用量でもモデルを変えると単価の差がそのまま月額に出る点で、例2では3.8 Flashの$33.75に対しArgonは$90.00です。4つ目は、軽量なモデルへ変えると月額は下がりますが、3.5 Flash-Liteや2.5 Flash-Liteは公式料金ページのモデル説明で用途が異なる位置づけ(3.5 Flash-Liteは「A cost-efficient model, optimized for high-volume agentic tasks, translation, and simple data processing.」)なので、品質要件を満たすかを先に検証してから切り替える順序になる点です。なお2.5 Flash-Liteはモデルの提供状況を扱った節のとおりアクセスが過去の利用者に限られると説明されているため、例4は旧世代の単価を比較するための参考値です。

利用量の見積もりに迷う場合は、業務ごとの利用パターンから逆算するのが現実的です。SNS運用の下書き生成、資料要約、問い合わせ分類など、Google AI活用事例を目的別に整理した記事の用途分類を使って「1回あたりの入力・出力トークン数 × 月間回数」を用途別に積み上げると、上の表の入力欄に入れる数値が作れます。画像生成を組み合わせる場合は、公式料金ページで画像出力がトークン単価の別体系(「Image output is priced at $30 per 1,000,000 tokens (Standard)」など)とされているので、Nano Banana 2 LiteとGemini画像モデルの最新情報を確認したうえで別枠で見積もってください。

英語版と日本語版の料金ページを見比べる

日英の料金ページの見比べとは、同じ「Gemini Developer API pricing」ページの英語版と日本語版(hl=ja)で、掲載モデル・単価・期限表記が一致しているかを自分で確かめる作業で、日本語版にはAI翻訳の注記があるため、金額は英語版と照合してから使うための手順です。

2026年10月14日に両方のページを取得して比較した結果を書きます。公式料金ページの英語版は、ページ上部に「Gemini 4 Argon is now available. Try it out.」のバナーがあり、モデル表はGemini 4 Argon、Gemini 3.8 Flash、Gemini 3.6 Flashの順で始まります。日本語版も、Gemini 4 Argon、Gemini 3.8 Flash、Gemini 3.6 Flashの順で、同じ3モデルの項目があります。この3モデルのStandard・Batch・Flex・Priorityの各ブロックについて、ドル金額を英語版と日本語版で並べて照合したところ、掲載された金額は一致していました。たとえばGemini 4 Argonの入力は、日本語版でも「2026 年 11 月 30 日まで 2.00 ドル。2026 年 12 月 1 日より 4.00 ドル。」と書かれています。

ページの更新表示も一致していました。英語版の末尾は「Last updated 2026-10-13 UTC.」、日本語版の末尾は「最終更新日 2026-10-13 UTC。」です。日本語版の冒頭には「Google は AI 技術を使用して、コンテンツをご希望の言語に翻訳しています。AI 翻訳には誤りが含まれる場合があります。」という注記があり、公式モデル一覧の日本語版にも、Gemini 4 Argon、Gemini 3.8 Flash、Gemini 3.6 Flashの項目があります。今回確認したのは3モデルの金額と更新日で、すべてのモデルの全文を照合したわけではありません。

見比べる習慣として、日本語で検索して見つけた単価をそのまま使う前に、URL末尾の「hl=ja」を外すか「hl=en」にして同じページの英語版を開き、モデル名・金額・期限の3点を照合する方法を勧めます。新しいモデルが出た直後や、価格改定の直後は、2つの言語版で反映の時期がずれる可能性があるためです。判断に迷うときは、英語版を一次情報として確認し、日本語版は補助として読んでください。

ChatGPT・Claude APIとの料金比較は各公式ページで確認する

他社API(OpenAI、Anthropic)との料金比較とは、各社が公式に掲載している100万トークンあたりの単価を同じ条件(モデル世代、入力/出力、キャッシュ、Batch相当の割引)で並べる作業で、この記事ではGemini以外の単価を転記せず、各社の公式料金ページへの案内にとどめます。

比較記事で起きやすい問題は、取得時点の異なる単価を並べて優劣を書くことです。Gemini APIの単価は本記事の取得時点(2026年10月14日)の公式表記であり、他社の単価はこの記事では取得・検証していません。そのため、OpenAIのAPI単価はOpenAI公式のAPI料金ページ、AnthropicのClaude APIの単価はAnthropic公式のClaude料金ドキュメントで、それぞれ同じ日に確認して並べてください。

比較するときに揃える条件は、Gemini側の読み方と同じです。第1に、入力と出力を分けて見ること。第2に、出力に思考(reasoning)トークンが含まれるかを各社の表記で確認すること。第3に、キャッシュ割引とBatch相当の非同期割引の有無と割引率を、各社の表記で確認すること。第4に、無料枠の有無とデータ利用条件を確認すること。この4条件を表の列にして、各セルに公式ページの文言と取得日を書き込めば、後から単価が変わっても更新しやすい比較表になります。

個人利用や社内利用でAPIではなくチャット製品の契約を検討している場合は、API単価ではなくプラン料金の比較になります。GeminiとChatGPTをアプリとして使う場合の違いはGeminiとChatGPTの違いはどっち?無料で使うならどう選ぶ?、OpenAI側のモデル別料金はGPT-5.5全モデル比較と料金、Anthropic側のAPI料金の確認手順はClaude Sonnet 5のAPI料金と確認手順で、それぞれ各社の公式ページを根拠に整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. Gemini APIは無料で使えますか?
はい、無料枠(Free Tier)があります。公式Billingページに「New accounts begin on the Free Tier, which allows access to certain models in the Gemini API and AI Studio, up to the models’ free tier rate limits.」とあり、公式料金ページでは3.8 FlashなどFlash系のStandardが「Free of charge」です。ただしGemini 4 Argonと3.1 Pro Previewは無料枠が「Not available」、3.8 FlashのBatchとFlexも無料枠では「Not available」で、無料枠では入力内容が製品改善に使われる(「Used to improve our products: Yes」)点に注意が必要です。
Q2. Gemini 4 Argonのapi料金はいくらですか?
公式料金ページ(2026年10月14日取得、USD、100万トークンあたり)では、Standardの入力が「$2.00 through November 30, 2026. $4.00 starting December 1, 2026.」、出力(思考トークンを含む)が「$10.00 through November 30, 2026. $20.00 starting December 1, 2026.」、キャッシュが「$0.10 through November 30, 2026. $0.20 starting December 1, 2026.」です。無料枠は「Not available」で、Gemini 4 Argonの公式新機能ページにはGoogle AI Proプランでも利用できないと書かれています。
Q3. 「$0.75 through December 31, 2026. $1.50 starting January 1, 2027.」はどう読めばいいですか?
公式料金ページの表記では、2026年12月31日までは100万トークンあたり$0.75、2027年1月1日からは$1.50が適用される、という意味です。Gemini 3.8 / 3.6 Flashの入力・出力・キャッシュ・保存料金のすべての行が同じ形式で書かれています。期限をまたぐ予算は期間を分けて計算してください。公式ページはこの2段表記の理由を説明していないため、割引や記念価格といった解釈は加えないほうが正確です。
Q4. 2.5 Flashの無料枠は今も使えますか?
公式料金ページのGemini 2.5 Flashの表では、Standardの入力・出力が無料枠で「Free of charge」と表記されています。一方、公式モデル一覧は2.5系を「not deprecated」としつつ、2.5モデルへのアクセスを過去に利用した利用者に限っていると説明し、新規プロジェクトには3.5 Flash-Liteか3.8 Flashを案内しています。2つのページで書き方が異なるため、新しいプロジェクトで使えるかは断定できません。使う前に少量のリクエストで確認してください。
Q5. Gemini 3.7 Flashと3.5 Flashはまだ使えますか?
公式Release notes(Changelog)の2026年10月8日の項目に、gemini-3.7-flashはgemini-3.8-flashに、gemini-3.5-flashはgemini-3.6-flashに置き換えられた(deprecated)と書かれています。どちらもAI Studioでは選択できず、APIリクエストは後継モデルへ自動で振り替えられます。非推奨・旧モデルなので、モデル名を後継に更新し、単価は公式料金ページの後継モデルの行で見積もってください。
Q6. 思考(Thinking)トークンは別料金ですか?
別料金ではなく、出力単価に含まれます。公式料金ページの出力の行は「Output price (including thinking tokens)」と書かれており、最終回答だけでなく思考に使ったトークンも出力トークンとして課金されます。見積もりでは、レスポンスの使用トークン数を実測して、思考込みの出力量を1リクエストあたりの値として使ってください。
Q7. BatchとFlexはどちらが安いですか?
公式Flex inferenceページの比較表ではどちらも「50% discount」で、公式料金ページのGemini 3.8 Flashの単価も両方とも入力$0.375・出力$1.875(2026年12月31日まで)と同じです。Gemini 4 Argonも両方とも入力$1.00・出力$5.00(2026年11月30日まで)です。違いは料金ではなく方式で、Batchは非同期(目標処理時間24時間以内)でBatch専用のレート上限があり、Flexは同期で一般のレート上限に含まれ、容量不足時はStandardへ自動昇格せずエラーを返すためクライアント側の再試行が前提です。FlexはPreview提供です。
Q8. 有料枠に移行するには最低いくら必要ですか?
公式Billingページには「prepaying to add a minimum of $5 (or equivalent in other currencies) of credits」とあり、請求先アカウントの連携と最低$5のプリペイドで有料枠へ移行します。Prepayの未使用クレジットは12か月で失効し、残高が$0になると同じ請求先に紐づく全プロジェクトのAPIキーが同時に停止すると明記されているため、自動リロードの設定と残高の監視が実務上の必須事項です。
Q9. 日本語版の料金ページと英語版で金額が違う場合はどちらを見ればよいですか?
2026年10月14日に比較した範囲では、Gemini 4 Argon・3.8 Flash・3.6 Flashの金額は日本語版と公式料金ページの英語版で一致していました。ただし日本語版には「AI 翻訳には誤りが含まれる場合があります」という注記があるため、食い違いを見つけた場合は英語版を一次情報として扱い、日本語版は補助として読むことを勧めます。URL末尾の「hl=ja」を外すと英語版を確認できます。
Q10. Google AI Studioの画面で試すだけでも料金がかかりますか?
公式料金ページの末尾に「Google AI Studio usage is free of charge in all available regions.」とあり、AI Studioの利用自体は無料です。ただし同じページの各モデル表には無料枠でも「Used to improve our products: Yes」とあるため、業務データを入力する場合は有料枠の利用を検討してください。

まとめ|Gemini API料金を読む時に押さえる5点

Gemini APIの料金を正しく読むために、この記事で確認した要点を5つにまとめます(いずれも公式料金ページと各公式ドキュメントの2026年10月14日時点の表記です)。第1に、単価は「Paid Tier, per 1M tokens in USD」で、入力・出力・キャッシュが別々に掲載されていること。第2に、Gemini 4 Argonは「$2.00 through November 30, 2026. $4.00 starting December 1, 2026.」、Gemini 3.8 / 3.6 Flashは「$0.75 through December 31, 2026. $1.50 starting January 1, 2027.」という期限付き表記で、期限後は入力・出力とも数値が2倍になること。第3に、出力単価は「including thinking tokens」で思考トークンを含むこと。第4に、Batch・Flexは「50% discount」、Priorityは「75-100% more than Standard」で、同じモデルでも提供tierで単価が変わること。第5に、無料枠は「Used to improve our products: Yes」で、Gemini 4 Argonは無料枠で使えず、旧モデルの3.7 Flashと3.5 Flashは非推奨で後継へ自動で振り替えられ、有料枠への移行は請求先連携と最低$5のプリペイドで行うことです。

見積もりは「月間入力トークン ÷ 100万 × 入力単価 + 月間出力トークン(思考込み)÷ 100万 × 出力単価」を土台に、キャッシュ・グラウンディング・提供tierの補正を足す形で作れます。利用量は仮定ではなく実測に置き換え、単価は公式料金ページの最新表記で更新してください。日本語版と英語版は2026年10月14日に比較した範囲で一致していましたが、日本語版にはAI翻訳の注記があるため、金額を使う前に英語版との照合をしておくと、この分野で費用を読み違えないための土台になります。

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この記事を書いた人

株式会社S.Line 代表取締役。偏差値39から起業し、AIとSNSの活用で「普通の人」が成果を出す方法を発信。

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