Gemini Computer Useとは|対応環境・安全機能・料金の考え方

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📅 公開日: 2026年9月24日

Gemini Computer Useとは、Googleの開発者向け公式サイト(Google AI for Developers)のGemini APIドキュメントで案内されているツールで、公式ページには「The Computer Use tool lets you build browser, mobile, and desktop control agents that interact with and automate tasks.」と定義されています。日本語に訳すと「Computer Useツールを使うと、ブラウザ・モバイル・デスクトップを操作しタスクを自動化するエージェントを構築できる」という意味です(訳は筆者によるもので、原文が正です)。モデルはスクリーンショットで画面を「見て」、クリックやキー入力といった具体的なUI操作を生成することで画面を「操作」します。公式ページには「Similar to function calling, you will need to implement the client-side execution environment to receive and execute the Computer Use actions.」とも書かれており、Function callingと同じ発想で、実際にクリックや入力を実行する部分は開発者側で用意する仕組みです。

この記事では、Computer Useを使うかどうかを一次情報だけで判断できるように、公式ページの文言をそのまま引用しながら、できること・対応環境・処理の仕組み・安全機能・対応モデル・料金の考え方・日本語版ページとの差分を順に整理します。数値や機能の可否は、すべて同じ段落に公式ページのリンクを添えています。取得日は2026年9月24日で、参照した英語版ページの最終更新表記は「Last updated 2026-09-23 UTC.」でした。

目次

Gemini Computer Useとは|公式の定義とできること

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Gemini Computer Useは、Google AI for Developersの公式ドキュメントで「ブラウザ・モバイル・デスクトップを操作しタスクを自動化するエージェントを構築できるツール」と定義されている、Gemini APIのPreview機能です。

公式ページの冒頭には、次の一文が掲載されています。

The Computer Use tool lets you build browser, mobile, and desktop control agents that interact with and automate tasks. Using screenshots, the model can “see” a computer screen, and “act” by generating specific UI actions like mouse clicks and keyboard inputs.

続けて、対応モデルの一覧は別項目(本記事の「対応モデルバージョン一覧」)で確認するよう案内したうえで、Gemini 3.xモデルが持つ高度な機能として次の4点が挙げられています。1つ目は「Multi-environment support」で、ブラウザ・モバイル・デスクトップの3環境向けにエージェントを構築できること。2つ目は「Streamlined actions with intents」で、各アクションにintentフィールドが含まれ、モデルがその行動を選んだ理由を説明すること。3つ目は「Configurable safety policies」で、組み込みのポリシーカテゴリとオーバーライドで安全な挙動を調整できること。4つ目は「Prompt injection detection」で、スクリーンショットに隠された敵対的指示を検出するオプトイン機能があることです。

ただし公式ページには次の注意書きも明記されています。「As a Preview capability, Computer Use may contain errors and security vulnerabilities. We recommend supervising closely for important tasks, and that you avoid using the Computer Use capability for tasks involving critical decisions, sensitive data, or actions where serious errors cannot be corrected.」重要な意思決定や機微なデータを扱う処理、誤りを取り返せない処理には使わないよう、公式自身が案内しています。この位置づけを理解したうえで、まず対応モデルを押さえておくと判断がしやすくなります。現時点で推奨モデルとされているのはGemini 3.8 Flashとは?できること・制限・旧世代Flashとの違いで扱っているGemini 3.8 Flashで、詳細は本記事の「対応モデルバージョン一覧」で改めて整理します。

Computer Useで自動化できる主なユースケース

公式ページは、Computer Useで構築できるエージェントの用途として、Webサイトでの反復的なデータ入力・フォーム入力の自動化、Webアプリケーションとユーザーフローの自動テスト、複数サイトを横断した調査の3つを挙げています。

公式ページの「With Computer Use, you can build agents that」という項目では、自動化できる主なユースケースが次の3つです。

  • Webサイト上の反復的なデータ入力やフォーム入力の自動化(Automate repetitive data entry or form filling on websites)。
  • Webアプリケーションとユーザーフローの自動テスト(Perform automated testing of web applications and user flows)。
  • 複数のWebサイトを横断した調査。たとえばECサイトから商品情報・価格・レビューを集めて購入判断の材料にする用途(Conduct research across various websites)。

1つ目のデータ入力・フォーム入力は、業務システムやSaaSの管理画面のように、API連携が用意されていないWebサイトへ定型的な情報を入力する作業が対象です。Google Workspace上の業務であれば、GeminiはGmailとGoogleドキュメントで仕事をどう変える?で扱っているようなGoogle純正の連携機能で完結する場合もあるため、Computer Useを使うべきかは「連携APIや純正機能が既にあるか」を先に確認してから判断すると、余計な実装を避けられます。

2つ目の自動テストは、実際のブラウザ画面を人間の操作に近い形でなぞりながらユーザーフローを検証する用途です。公式ページはこの用途の詳細な実装例までは示していないため、既存のE2Eテストツールとどちらが適しているかは、テスト対象の画面数や変更頻度に応じて個別に検討する必要があります。

3つ目の横断調査は、Googleが提供する他の調査系機能とも重なる領域です。あらかじめ決まった手順で複数サイトを巡回して情報を集めるだけならGeminiのDeep Researchの使い方|調査レポートの作り方と確認手順で扱っているDeep Researchのほうが、モデル側で調査工程そのものを組み立ててくれる分、実装コストは小さくなります。一方でComputer Useは、ログインが必要な画面や、検索結果ではなく特定サイトのUIを直接操作する必要がある調査で使い分ける位置づけです。検索クエリを使った調査を組み合わせたい場合は、Google検索によるグラウンディングとは?Gemini APIの料金と仕組みで扱っているGrounding with Google Searchとの併用も選択肢になります。

仮の例として、社内の競合調査担当者が、指定した5つのECサイトで同じ商品カテゴリの価格とレビュー件数を毎週集計する業務を自動化したいケースを考えます。この場合、Computer Useのエージェントに「各サイトの検索窓に商品名を入力し、価格とレビュー件数をスクリーンショットから読み取って記録する」という指示を与え、サイトごとにログインや検索窓の位置が異なる点はモデルがスクリーンショットを見ながら都度判断する、という組み方になります。これはあくまで仮の例であり、実際の精度や所要時間は公式ページに記載がないため、本記事では断定しません。

対応環境|ブラウザ・モバイル・デスクトップの位置づけ

Gemini 3.xモデルのComputer Useは、公式ページでENVIRONMENT_BROWSER・ENVIRONMENT_MOBILE・ENVIRONMENT_DESKTOPの3つの環境設定に対応すると説明されています。

公式ページの「Supported environments (Gemini 3.x)」という項目には「Gemini 3.x models support three environments specified in the computer_use configurations」と書かれており、それぞれの位置づけは以下のとおりです。

環境 設定名(environment) 公式ページの説明 特徴的なアクション
ブラウザ環境 ENVIRONMENT_BROWSER Available actions under browser tool(ブラウザツールで使えるアクション一覧が用意されている) navigate・go_back・go_forwardなどURL遷移系のアクション
モバイル環境 ENVIRONMENT_MOBILE Android-optimized environment actions(Androidに最適化された環境) open_app・list_apps・long_pressなどアプリ操作系のアクション
デスクトップ環境 ENVIRONMENT_DESKTOP Desktop environments OS-level cursor commands(OSレベルのカーソル操作コマンド) ブラウザ環境と同じクリック系アクションに加え、URL遷移系は非対応

ブラウザ環境はWebサイトを対象にした操作、モバイル環境はAndroid端末のアプリを対象にした操作、デスクトップ環境はOS全体のカーソル操作という違いがあります。ブラウザ内の操作だけで完結する用途ならブラウザ環境、スマホアプリの操作が必要ならモバイル環境、デスクトップアプリケーションを横断する操作が必要ならデスクトップ環境、という使い分けです。同じGoogleのエージェント関連機能でも、ターミナル上でコマンドを実行する形の自動化についてはGemini CLIの使い方 インストールから無料枠の現状まで解説で扱っているGemini CLIのほうが適しており、Computer UseはあくまでGUI画面を直接操作する用途に特化しています。

ブラウザ環境の操作アクション一覧

公式ページのブラウザ環境(ENVIRONMENT_BROWSER)には、click・type・scroll・navigateなど20種類の操作アクションがコマンド名・説明・引数の形で一覧化されています。

もっとも項目数が多いブラウザ環境のアクション一覧を確認します。公式ページの「Available actions under browser tool」という表に掲載されている内容を、コマンド名・説明・主な引数の順でそのまま整理しました。

コマンド名 説明(原文の要旨) 主な引数
click Left clicks at the coordinate(座標を左クリック) x, y, intent
double_click Double clicks at the coordinate(座標をダブルクリック) x, y, intent
triple_click Triple clicks at the coordinate(座標をトリプルクリック) x, y, intent
middle_click Middle clicks at the coordinate(座標を中央ボタンでクリック) x, y, intent
right_click Right clicks at the coordinate(座標を右クリック) x, y, intent
mouse_down / mouse_up 座標でマウスボタンを押下/解放したままにする x, y, intent
move Moves the cursor to the specified position(カーソルを指定位置へ移動) x, y, intent
type Types text(テキストを入力) text, press_enter(既定false), intent
drag_and_drop Drags an item from the start coordinate to the end coordinate(開始座標から終了座標へドラッグ) start_x, start_y, end_x, end_y, intent
wait Pauses execution for a specified number of seconds(指定秒数だけ待機) seconds(既定1), intent
press_key / key_down / key_up 指定キーの押下と解放、または押しっぱなし・離す操作 key, intent
hotkey Presses the specified key combination(指定のキー組み合わせを押す) keys(リスト), intent
take_screenshot Returns a screenshot of the current screen(現在の画面のスクリーンショットを返す) intent
scroll Scrolls up, down, left, or right at a coordinate by a pixel distance(座標を起点に指定方向へ指定ピクセル分スクロール) x, y, direction, magnitude_in_pixels(既定300), intent
go_back / go_forward ブラウザ履歴を前後に移動 intent
navigate Navigates directly to a specified URL(指定URLへ直接遷移) url, intent

いずれのアクションにもintentという引数が含まれている点が共通しています。これは前述の「Streamlined actions with intents」に対応するもので、モデルがそのアクションを選んだ理由を文字列として返す仕組みです。座標(x, y)はすべて0から999の範囲に正規化されており、実際の画面サイズへはクライアント側で変換してから実行する必要があります。モバイル環境はopen_app・list_apps・long_pressを持つ一方でdouble_clickやhotkeyのような一部の操作は含まれず、デスクトップ環境はブラウザ環境とほぼ同じ操作セットを持ちながらnavigate・go_back・go_forwardのようなURL遷移系のアクションを持たない、という違いがあります。

Computer Useの処理ループ|4ステップで動く仕組み

Computer Useは、アプリケーションとAPIの間で「モデルへリクエスト送信→モデルの応答受信→アクション実行→新しい画面状態の取得」という4ステップのループを繰り返す仕組みで動作します。

公式ページの「How Computer Use works」には「To build an agent with the Computer Use model, you need to set up a continuous loop between your application and the API.」とあり、各ステップの内容は次のとおりです。

  1. モデルへリクエストを送信する:Computer Useツールの設定(対象環境など)・ユーザーのプロンプト・現在の画面のスクリーンショットを含むAPIリクエストを送る。
  2. モデルの応答を受け取る:モデルが画面とプロンプトを分析し、クリックやスクロール、キー入力といったUI操作を表すfunction_callを提案として返す。Gemini 3.xモデルでは、なぜその操作を選んだかを説明するintentも含まれる。応答には、そのアクションを「通常どおり許可」「ユーザー確認が必要」「ブロック」のいずれかに分類するsafety_decisionが含まれる場合もある。
  3. 受け取ったアクションを実行する:アクションが許可されている(またはユーザーが確認した)場合、クライアント側のコードがfunction_callを解析し、正規化された座標を実際のビューポートに合わせて変換したうえで、Playwrightなどの自動化ツールで実行する。ブロックされた場合は実行を止めるか中断を処理する。
  4. 新しい画面状態を取得する:アクション実行後に新しいスクリーンショットを取得し、function_resultとしてモデルへ送り返す。

このプロセスはステップ2から繰り返され、タスクが完了するか終了するまで、モデルが次のアクションを提案し続けます。公式ページには「Similar to function calling, you will need to implement the client-side execution environment to receive and execute the Computer Use actions.」という記載もあり、ツール呼び出しの構造自体はGemini APIのFunction Calling入門|仕組み・書き方・料金で扱っているFunction Callingと同じ考え方です。違うのは、返ってくるfunction_callがあらかじめ定義された「クリック」「入力」「スクロール」などのUI操作である点と、実行結果としてスクリーンショットを送り返す点です。

導入前に用意するもの|サンドボックス環境とクライアント実装

Computer Useを実装する前に、公式ページは安全なサンドボックス実行環境の用意と、座標のクリック・テキスト入力・スクリーンショット取得を行うクライアント側のアクションハンドラの実装を必要な準備として挙げています。

公式ページの「How to implement Computer Use」には「Before building with the Computer Use tool you will need to set up」として、安全な実行環境(Secure execution environment)とクライアント側のアクションハンドラ(Client-side action handler)の2点が挙げられています。安全な実行環境については「Run your agent in a sandboxed VM or container to isolate it from your host system and limit its potential impact.」とあり、公式のリファレンス実装にはDockerベースのサンドボックスがすぐ使える形で用意されています。クライアント側のアクションハンドラについては、座標のクリック・テキスト入力・スクリーンショット取得を実行するロジックを実装する必要があり、公式のサンプルコードはWebブラウザを実行環境としてPlaywrightを使う例を示しています。

「Safety and security」の項目では、これらに加えて次の実践項目も挙げられています。入力サニタイズ(Input sanitization)でプロンプト中のユーザー生成テキストを無害化すること、コンテンツガードレール(Content guardrails)で入出力の適切性やプロンプトインジェクションを評価すること、許可リスト・ブロックリスト(Allowlists and blocklists)でモデルが遷移できる場所や実行できる操作を制御すること、監視とログ(Observability and logging)でプロンプト・スクリーンショット・モデルが提案したアクション・安全性の判定・実際に実行したアクションを記録すること、環境管理(Environment management)でGUI環境を一貫した状態に保つことです。

これらはすべて、モデルに画面を「見せて」「操作させる」という性質上、通常のテキスト生成APIよりも実行環境側の安全対策が重要になることを示しています。大量のリクエストをまとめて非同期に処理したいだけであれば、リアルタイムのループを組む必要があるGemini Batch APIの使い方|非同期処理と50%割引の料金で扱っているBatch APIのほうが実装がシンプルです。Computer Useは、画面を見ながらその場で次の操作を決める必要がある処理に向いています。

安全ポリシー7カテゴリとsafety_decisionの読み方

Gemini 3.xモデルのComputer Useには、ユーザー確認が必要かどうかを自動判定する組み込みの安全ポリシーカテゴリが公式ページで7つ挙げられています。

公式ページの「Configuring safety policies (Gemini 3.x)」には「Gemini 3.x models include built-in safety service categories that automatically determine if user confirmation is required.」とあり、安全ポリシーのカテゴリは次の7つです。

カテゴリ名 公式ページの説明
FINANCIAL_TRANSACTIONS 支払い・小売の決済・規制対象品を含む操作をブロックまたは確認対象にする
SENSITIVE_DATA_MODIFICATION 医療・金融・行政の記録を無許可で変更することから保護する
COMMUNICATION_TOOL メールやチャットメッセージ、下書きをエージェントが自律的に送信することを制限する
ACCOUNT_CREATION Webサイトへの新規アカウント登録をエージェントが自律的に行うことを制限する
DATA_MODIFICATION ファイルシステムの変更・データ共有・ストレージ削除全般を規制する
USER_CONSENT_MANAGEMENT Cookie同意バナーやプライバシー確認ではユーザー自身の対応を必須にする
LEGAL_TERMS_AND_AGREEMENTS 利用規約や法的拘束力のある契約への同意をモデルが自律的に行うことを防ぐ

モデルの応答に含まれるsafety_decisionは、そのアクションを「regular/allowed(通常どおり許可)」「require_confirmation(ユーザーの承認が必要)」「blocked(ブロック)」のいずれかに分類します。disabled_safety_policiesとしてカテゴリ名を指定すれば特定のポリシーを無効化する「Safety overrides」も用意されていますが、公式ページは「Safety overrides indicate your preference, but the model may still return a safety_decision with require_confirmation in some cases. Your application should always implement safety decision handling regardless of configured overrides.」と明記しており、オーバーライドを設定していてもrequire_confirmationが返る場合があるため、クライアント側では常にsafety_decisionを処理する実装が必要です。

カスタム関数とHuman-in-the-Loopの使い方

Computer Useは、あらかじめ定義された標準アクションを除外し、開発者が独自に定義した関数を登録することで、判断が不安全・曖昧なときに人間へ制御を戻すHuman-in-the-Loopの構成を組めます。

公式ページの「Custom user-defined functions」には「You can extend the functionality of the model by including custom user-defined functions. For example, in human-in-the-loop (HITL) scenarios you can exclude default predefined actions and register custom actions.」とあります。公式のサンプルコードでは、標準のclickアクションをexcluded_predefined_functionsで除外したうえで、「安全でない、または曖昧な操作のときにユーザーへ制御を戻す」という説明を持つyield_to_userという独自関数を登録する例が示されています。このサンプルでは、モデルとしてgemini-3.8-flash、環境としてmobileが指定されており、プロンプトは「Click the submit button. If you need a second factor authentication code, ask me.」(送信ボタンをクリックしてください。二要素認証コードが必要な場合は私に聞いてください)という内容でした。

さらにGemini 3.5 Flash以降のComputer Useには、プロンプトインジェクション対策として「Prompt injection detection」という機能もあります。公式ページには「Computer Use for Gemini 3.5 Flash or later supports an advanced safety mechanism to detect prompt injection attacks. When enabled, this feature checks whether an included screenshot contains hidden adversarial instructions (for example, “Ignore previous commands”) and blocks execution when detected.」とあり、スクリーンショットに「これまでの指示を無視して」のような隠れた敵対的指示が含まれていないかを検査し、検出時は実行をブロックします。この機能はオプトインで、既定値はfalseです。つまり、有効化しない限り動作しないため、外部サイトを操作する用途では有効化を検討する価値があります。

Thinkingレベルの設定で速度と精度のバランスを取る

Computer Useエージェントでは、行動の質と実行速度のバランスを取るためにThinkingレベルを設定でき、公式ページは標準的な自動化タスクには低めのThinkingレベルが良いバランスになるとしています。

公式ページの「Managing thinking levels (Gemini 3.x)」には「For computer use agents, you can configure different thinking levels to balance action quality and execution speed. Lower thinking levels generally achieve a good balance for standard automation tasks.」と書かれています。定型的なクリックや入力を繰り返すだけの自動化であれば低いThinkingレベルで十分な場合が多く、画面の状況を読み取って複雑な判断をしながら進める必要があるタスクでは、より高いThinkingレベルが必要になる、という読み方になります。Thinkingレベルそのものの詳細な定義や思考トークンの扱いは、モデルごとのページで確認できます。3.8 Flashにおけるlow・medium・highの対応状況はGemini 3.8 Flashとは?できること・制限・旧世代Flashとの違いで扱っています。

対応モデルバージョン一覧|Gemini 3.8 Flashが推奨される理由

公式ページはComputer Useを使えるモデルとしてGemini 3.8 Flash・3.7 Flash・3.5 Flash-Lite・3.5 Flash・3 Flash Preview・Gemini 2.5(Legacy Preview)の6つを挙げ、3.8 Flashを「The recommended model for computer use」としています。

公式ページの「Model versions」には「You can use Computer Use with the following models」として、次の6モデルが説明文とともに掲載されています。英語版と日本語版(?hl=ja)を2026年9月24日に取得して突き合わせたところ、モデルの構成と説明の方向性は一致していました。

モデル モデルコード 公式ページの説明(英語版の要旨)
Gemini 3.8 Flash gemini-3.8-flash The recommended model for computer use, featuring high-accuracy UI interaction and reliable tool calling(Computer Useの推奨モデル。高精度なUI操作と信頼性の高いツール呼び出しが特徴)
Gemini 3.7 Flash gemini-3.7-flash Previous stable model for computer use, featuring streamlined actions with intents, support for browser, mobile, and desktop environments, configurable safety policies, and prompt injection detection(Computer Useの前の安定版モデル)
Gemini 3.5 Flash-Lite gemini-3.5-flash-lite A low-latency, cost-effective model supporting computer use(低レイテンシで費用対効果の高いモデル)
Gemini 3.5 Flash gemini-3.5-flash Previous stable model supporting computer use(Computer Useに対応する以前の安定版モデル)
Gemini 3 Flash Preview gemini-3-flash-preview Preview model supporting computer use(Computer Useに対応するプレビューモデル)
Gemini 2.5(Legacy Preview) gemini-2.5-computer-use-preview-10-2025 Legacy preview model optimized for browser-based computer use(ブラウザベースのComputer Useに最適化された以前のプレビューモデル)

この一覧から分かるのは、Computer Use自体はGemini 3.5世代以降の複数モデルに対応しているものの、公式が名指しで推奨しているのは3.8 Flashだけという点です。プロンプトインジェクション検出は「Gemini 3.5 Flash or later」が対象なので、3 Flash PreviewやGemini 2.5のLegacyモデルでは使えない可能性があります。新規に実装するなら3.8 Flashを起点にし、既存のシステムで3.7や3.5系を使っている場合は、モデルコードの差し替えだけで動作するかを個別に確認する、という進め方が安全です。

料金の考え方|Computer Use自体は無料、課金は利用モデルの標準単価

公式の料金ページでは、Computer Useツール自体に追加料金は発生せず、使用したモデルの通常のトークン単価がそのまま課金される仕組みとされています。

Gemini APIの公式料金ページの「Pricing for tools」という項目には、Computer useについて「Charged as regular tokens per model pricing (e.g., standard Gemini 3.5 Flash pricing). See the Gemini 2.5 Computer Use Preview pricing table for legacy model rates.」と記載されています。つまり、Gemini 3.8 Flashや3.5 Flashなど現行モデルでComputer Useを使う場合、追加のツール料金は発生せず、そのモデル自体の入出力トークン単価がそのまま適用されます。3.8 Flash単体の単価は本記事の根拠に含まれていないため、正確な金額はGemini API料金の読み方2026|モデル別単価・キャッシュ・無料枠・試算と公式料金ページで直接確認してください。

一方、legacyモデルであるGemini 2.5 Computer Use Previewには、公式料金ページ(2026年9月24日取得)で確認できる専用の料金表が用意されています。

区分 Gemini 2.5 Computer Use Preview(gemini-2.5-computer-use-preview-10-2025)の単価
入力(Input price) $1.25 / 100万トークン(プロンプト200kトークンまで)、$2.50 / 100万トークン(200kトークン超)
出力(Output price) $10.00 / 100万トークン(プロンプト200kトークンまで)、$15.00 / 100万トークン(200kトークン超)
無料枠(Free Tier) Not available(無料枠なし)

このlegacy料金表はGemini 2.5 Computer Use Preview専用であり、3.8 Flashや3.5 Flashなど現行モデルには適用されません。現行モデルでComputer Useを使う場合の費用感は、モデル単体のAPI料金と、個人向けのGoogle AIサブスクリプション(Plus/Pro/Ultra)は別の課金体系である点も押さえておく必要があります。サブスクリプション側の違いはGoogle AIプランの違い|Plus/Pro/Ultraの選び方で整理しています。開発者向けAPIは従量課金、コンシューマー向けサブスクは月額固定という前提を混同しないようにしてください。

日本語公式ページとの表記差分を確認する

2026年9月24日時点で英語版(?hl=en)と日本語版(?hl=ja)のComputer Useページを比較したところ、モデルバージョン一覧の内容と件数は一致していましたが、ページタイトルや一部の見出し訳には機械翻訳特有の表現差がありました。

英語版のComputer Useページと日本語版のComputer Useページを同じ日に取得して比較しました。今回のトピックであるGemini 3.8 Flash とはで扱った「モデル一覧ページの日英差分」とは異なり、Computer Useのモデルバージョン一覧については、英語版・日本語版とも3.8 Flash・3.7 Flash・3.5 Flash-Lite・3.5 Flash・3 Flash Preview・Gemini 2.5(Legacy Preview)の6モデルが同じ順番で掲載されており、3.8 Flashが推奨モデルという位置づけも一致していました。

一方で、日本語版ページのタイトルは「パソコンの使用」という表記になっており、本記事で使っている「Computer Use」という英語表記とは訳し方が異なります。日本語版ページには機械翻訳である旨の注記があるため、見出しや細部の訳語は英語版の原文を基準にし、本記事でも公式の英語表現をそのまま引用したうえで、日本語は筆者による要旨として扱っています。日英で内容そのものに食い違いがある場合は両方のURLを併記して断定しない、という方針は、他のGemini API記事でも同様です。

よくある質問(FAQ)

Q1. Gemini Computer Useとは何ですか
Google AI for Developersの公式ページで「ブラウザ・モバイル・デスクトップを操作しタスクを自動化するエージェントを構築できるツール」と定義されている、Gemini APIのPreview機能です。モデルがスクリーンショットで画面を見て、クリックやキー入力などのUI操作を生成し、クライアント側がそれを実行するという仕組みで動作します。
Q2. Computer Useの料金はいくらですか
公式の料金ページによると、Computer Use自体に追加料金はなく、使用したモデルの通常のトークン単価がそのまま課金されます。legacyモデルのGemini 2.5 Computer Use Previewだけは専用の料金表があり、入力$1.25〜$2.50、出力$10.00〜$15.00(いずれも100万トークンあたり、金額はプロンプトの長さで変動)です。3.8 Flashなど現行モデルの単価は公式料金ページで確認してください。
Q3. どのモデルでComputer Useを使えますか
公式ページによると、Gemini 3.8 Flash・3.7 Flash・3.5 Flash-Lite・3.5 Flash・3 Flash Preview・Gemini 2.5(Legacy Preview)の6モデルが対応しています。このうち3.8 Flashが「推奨モデル」として明記されています。
Q4. Computer Useは安全に使えますか
公式ページは「As a Preview capability, Computer Use may contain errors and security vulnerabilities.」と明記しており、重要な意思決定や機微なデータ、誤りを取り返せない操作には使わないよう案内しています。安全ポリシー7カテゴリによる自動確認、safety_decisionの処理、サンドボックス環境での実行、入力サニタイズなどの対策を組み合わせたうえで使う機能です。
Q5. 日本語の公式ページと英語版で内容は違いますか
2026年9月24日時点の取得では、対応モデルの一覧と件数は英語版・日本語版で一致していました。ただし日本語版ページのタイトルは「パソコンの使用」という機械翻訳の表記になっており、細部の訳語には差があります。本記事では英語版の原文を一次情報として扱っています。
Q6. Computer UseとFunction Callingは何が違いますか
公式ページは「Similar to function calling」と説明しています。共通点は、モデルがfunction_callを返し、実行はクライアント側が担う点です。違いは、Computer Useではそのfunction_callがあらかじめ定義されたクリックや入力などのUI操作に限られ、実行後にスクリーンショットを送り返すループを繰り返す点です。
Q7. プロンプトインジェクション対策はありますか
あります。Gemini 3.5 Flash以降のComputer Useには、スクリーンショットに隠れた敵対的指示がないかを検査し、検出時は実行をブロックする「Prompt injection detection」という機能があります。ただしオプトイン機能で、既定値はfalseのため、使う場合は明示的に有効化する必要があります。

まとめ|Computer Useを検討する前に確認すべきこと

Gemini Computer Useは、Google AI for Developersの公式ページで「ブラウザ・モバイル・デスクトップを操作しタスクを自動化するエージェントを構築できるツール」と定義されている、Gemini APIのPreview機能です。本記事で公式ページの文言から確認できた要点を整理します。

  • 対応環境はブラウザ・モバイル・デスクトップの3つで、それぞれ設定名と使えるアクションが異なる。
  • 処理は「リクエスト送信→応答受信→アクション実行→新しい画面状態の取得」という4ステップのループで進む。
  • 安全ポリシーは7カテゴリあり、safety_decisionを常に処理する実装が必須。オーバーライドを設定してもrequire_confirmationが返る場合がある。
  • 標準アクションを除外して独自関数を登録するHuman-in-the-Loopの構成が可能で、Gemini 3.5 Flash以降はプロンプトインジェクション検出(オプトイン)も使える。
  • 対応モデルは6つで、公式が推奨しているのはGemini 3.8 Flash。
  • Computer Useツール自体に追加料金はなく、使用モデルの標準単価で課金される。legacyのGemini 2.5 Computer Use Previewだけ専用の料金表がある。

Computer Useを使うかどうかの判断軸は、「API連携や純正機能では代替できないGUI操作か」「重要な意思決定や機微データを含まない処理か」「サンドボックス環境や安全ポリシーの処理を実装できるか」の3点です。いずれも満たせる場合に、Preview機能であることを踏まえたうえで検証を進めるのが公式ページの案内に沿った進め方です。Google AIをこれから業務に組み込む方は、まず目的別の活用パターンをGoogle AI活用事例を目的別に整理|仕事・学習・SNS運用で使う方法で確認し、全体像を押さえたい方はGoogle AIの使い方ガイドも参考にしてください。

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この記事を書いた人

株式会社S.Line 代表取締役。偏差値39から起業し、AIとSNSの活用で「普通の人」が成果を出す方法を発信。

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